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展開せずに角を足す、複素数の極形式でのかけ算と割り算と累乗

極形式にしてしまえば、かけ算も割り算も累乗も、絶対値と偏角を別々に計算するだけになります。

かけ算絶対値はかけ算、偏角は足し算
割り算絶対値は割り算、偏角は引き算
乗絶対値は 乗、偏角は 倍

角が を超えたら、 の倍数を引いて範囲へ戻す。 回転も 回転も同じ点を指します。

例:

絶対値は 、偏角は 。

は で有名角の表にありません。極形式のまま答えにします。

例:角が を超える場合

と をかけます。

絶対値は 、偏角は 。

を引いて に戻します。

1 周ぶん回っても点は動かないため、範囲の中の角に直してから書く。

例:割り算

を計算します。

絶対値は 、偏角は 。

有名角に落ちたので まで書けました。

の値はどれですか。

__RESULT__

絶対値は 、偏角は です。 になります。絶対値まで割らずに引くと の形になる。

例:

まず極形式へ直します。、、 で 。

絶対値を 乗して 、偏角を 倍して 。

を足すと に落ちます。

そのまま 乗を展開すると項が 個ぶん並びます。角を 倍するほうは、足し算 1 回で済む。

例:

分子と分母を別々に片づけます。

は 、。 乗すると絶対値が 、偏角が で、 周ぶん。

は 、。 乗すると絶対値が 、偏角が 。

どちらも実数に落ちたため、割り算は数のまま進みます。

例:

先に分数を極形式へ直します。 は 、。 は 、。

割り算なので絶対値は 、偏角は 。

乗します。絶対値は 、偏角は 。

から を引いて 。

という有名角でない角も、 倍した時点で分母が消えて の倍数に落ちました。指数と分母がかみ合うと、こういう形になります。

偏角は で割った余りだけ見る

角が大きくなったら、 の倍数を引きます。 なら を 1 回、 なら を 3 回。

と は ごとに同じ値をくり返すため、余りだけが値を決めています。 の累乗が で割った余りで決まる話と、同じ仕組み。

の値はどれですか。

__RESULT__

は 、 です。絶対値は 、偏角は で、 を足すと 。 になります。

展開の手間は指数とともに増えますが、角の計算は指数がいくつでも同じ 1 行。極形式に直す最初のひと手間が、そのあとを全部軽くします。

極形式にすれば、かけ算は絶対値をかけて偏角を足し、割り算は割って引き、$n$ 乗は $n$ 乗して $n$ 倍するだけになります。$(\sqrt{3}-i)^{10}$ なら $r = 2$、$\theta = -\dfrac{\pi}{6}$ から $1024$ と $-\dfrac{5}{3}\pi$ になり、$2\pi$ を足して $512 + 512\sqrt{3}i$。$\dfrac{(1+i)^8}{(\sqrt{3}+i)^6}$ は分子も分母も実数に落ちて $-\dfrac{1}{4}$、$\left(\dfrac{1+\sqrt{3}i}{1-i}\right)^{12}$ は $\dfrac{7}{12}\pi$ の $12$ 倍が $7\pi$ になって $-64$。偏角を $2\pi$ で割った余りに直す手つきまで。