z についての等式から z を決めるとき、進み方は 2 つあります。
x と y を実数として代入し、実部と虚部を比べて連立方程式にする。未知数が実数 2 つに変わります。
z と z が混ざった式なら、共役をとった式をもう 1 本並べる。z と z を 2 つの文字と見て消去します。
z の 2 乗が入っていれば前者、z が入っているだけなら後者が短く済むことが多い。
置きかえて連立する
2z+z=6+i を解きます。z=x+yi(x、y は実数)とおく。
2(x+yi)+(x−yi)=3x+yi
2yi から yi を引いて yi が残り、実部は 2x+x=3x。右辺と比べます。
3x=6,y=1
x=2、y=1 で z=2+i。もとの式に入れると 2(2+i)+(2−i)=4+2i+2−i=6+i になります。
共役をとってもう 1 本並べる
z+2z=9−i を、置きかえずに解いてみます。両辺の共役をとる。
z+2z=9+i
共役は和とかけ算をまたいでも形を変えず、実数の 2 はそのまま、z=z に戻ります。9−i の共役は 9+i。
2 本を並べます。
z+2z2z+z=9−i=9+i
下の式を 2 倍して上を引くと、z が消える。
4z+2z−(z+2z)=2(9+i)−(9−i)
左辺は 3z、右辺は 18+2i−9+i=9+3i。z=3+i です。
z+2z=(3+i)+2(3−i)=3+i+6−2i=9−i。合っています。
例:(1+2i)z+3z=5+5i
こんどは置きかえの道で進みます。z=x+yi を入れて展開する。
(1+2i)(x+yi)+3(x−yi)=x+yi+2xi+2yi2+3x−3yi=(4x−2y)+(2x−2y)i
2yi2 が −2y になって実部へ回り、実部は x−2y+3x=4x−2y。虚部は y+2x−3y=2x−2y。
4x−2y=5,2x−2y=5
引くと 2x=0 で x=0。−2y=5 から y=−25 になります。
z=−25i
純虚数でした。代入して確かめると (1+2i)(−25i)+3×25i=−25i+5+215i=5+5i。
3z−z=4+8i を満たす z はどれですか。
__RESULT__
z=x+yi とおくと 3x+3yi−x+yi=2x+4yi です。実部から 2x=4、虚部から 4y=8 なので x=2、y=2。虚部の係数を 4 ではなく 2 と読むと 2+4i になります。
共役から実部と虚部を拾う
z+z=2a、z−z=2bi を割り算の形に直すと、実部と虚部を式で書けます。
a=2z+z,b=2iz−z
虚部のほうは 2i で割るところが目印。2 で割ると bi になり、実数の虚部にはなりません。
z=4−3i で試します。z+z=8 を 2 で割って実部は 4。z−z=−6i を 2i で割って −3 が虚部。
例:z=2−i(1+i)3 の実部と虚部
分子を先に片づけます。(1+i)2=2i だから、(1+i)3=(1+i)×2i=2i+2i2=−2+2i。
分母を実数化する。
2−i−2+2i=4+1(−2+2i)(2+i)=5−4−2i+4i+2i2=5−6+2i
実部が −56、虚部が 52 です。52i ではなく 52 のほうが虚部。
例:実部が 3 で、z2 が純虚数になる z
実部が決まっているため z=3+yi(y は実数)とおきます。
z2=9+6yi+y2i2=(9−y2)+6yi
純虚数になるのは実部が 0 で虚部が 0 でないとき。9−y2=0 から y=±3 で、6y=0 も満たしています。
z=3+3i と z=3−3i。前者を 2 乗すると 9+18i−9=18i で、たしかに純虚数になりました。
例:z=1+i のとき z3−2z2+z
z2=2i、z3=(1+i)×2i=−2+2i を先に用意します。
z3−2z2+z=(−2+2i)−4i+(1+i)=(−2+1)+(2−4+1)i=−1−i
実部も虚部も −1。2 乗と 3 乗を先に a+bi の形にしておくと、あとは実部どうし虚部どうしの足し算で済みます。
z=2−i のとき、2iz−z の値はどれですか。
__RESULT__
z−z=(2−i)−(2+i)=−2i です。2i で割ると −1 になり、これが z の虚部。2 で割ってしまうと −i になります。
例:z+z=6 かつ zz=13
z=x+yi とおくと、z+z=2x、zz=x2+y2。
2x=6,x2+y2=13
x=3 を 2 本目へ入れて 9+y2=13、y=±2。答えは z=3+2i と z=3−2i です。
和が 6、積が 13 の 2 数なので、z と z は t2−6t+13=0 の解。判別式は 36−52=−16 で負になり、共役な虚数解が 2 つという結果とつながっています。
例:z=z2 を満たす z
z=x+yi とおいて両辺を書き並べます。
z2=(x2−y2)+2xyi,z=x−yi
実部と虚部を比べると 2 本。
x2−y2=x,2xy=−y
2 本目を y(2x+1)=0 と直すと、y=0 か x=−21 に分かれます。
y=0 のとき 1 本目は x2=x で、x=0 または x=1。z=0 と z=1 が解になります。
x=−21 のとき 1 本目は 41−y2=−21 で、y2=43、y=±23。
z=−21±23i
あわせて 4 つ。z=−21+23i を 2 乗すると 41−23i−43=−21−23i で、たしかに共役になりました。
0 を除いた 3 つは、3 乗して 1 になる数と同じ顔ぶれ。z=z2 の両辺に z をかけると zz=z3 になり、z=0 で絶対値が 1 なら左辺が 1 になるからです。
x+yi と置けば実数の連立に落ち、共役をとれば z と z の連立になる。どちらの道でも、複素数 1 つぶんの等式が 2 本ぶんの情報を持っているところは変わりません。
$z$ を $x + yi$ と置いて実部と虚部を比べる道と、両辺の共役をとってもう 1 本の式を並べる道があります。$2z + \overline{z} = 6 + i$ なら前者で $3x + yi = 6 + i$ となり $z = 2 + i$。$z + 2\overline{z} = 9 - i$ のように $\overline{z}$ が混ざる式は、共役をとった $2z + \overline{z} = 9 + i$ と連立させると $z$ だけが残る。$\dfrac{z + \overline{z}}{2}$ が実部、$\dfrac{z - \overline{z}}{2i}$ が虚部という書き方、$\overline{z} = z^2$ の解が 4 つになるところまで。
z=x+yi とおくと 3x+3yi−x+yi=2x+4yi です。実部から 2x=4、虚部から 4y=8 なので x=2、y=2。虚部の係数を 4 ではなく 2 と読むと 2+4i になります。