複素数の積と商は、複素数平面上で回転と拡大・縮小として解釈できる。これは極形式を用いると明確になる。
積の幾何学的意味
z1=r1(cosθ1+isinθ1) と z2=r2(cosθ2+isinθ2) の積は、
z1z2=r1r2{cos(θ1+θ2)+isin(θ1+θ2)}
となる。加法定理を用いて展開すれば確かめられる。
この式から、複素数の積は次の操作に対応することがわかる。
絶対値は掛け合わされる:∣z1z2∣=∣z1∣∣z2∣
偏角は足し合わされる:arg(z1z2)=argz1+argz2
つまり、z に w=r(cosθ+isinθ) を掛けることは、z を原点中心に θ だけ回転させ、r 倍に拡大する操作である。
商の幾何学的意味
同様に、商については
z2z1=r2r1{cos(θ1−θ2)+isin(θ1−θ2)}
となる。
絶対値は割り算される:z2z1=∣z2∣∣z1∣
偏角は引き算される:arg(z2z1)=argz1−argz2
具体例
z=1+3i に w=cos3π+isin3π を掛けると、z を 3π(60°)だけ反時計回りに回転させた点が得られる。
w=i を掛けることは、90°の回転に相当する。実際、i=cos2π+isin2π である。