a+bi を r(cosθ+isinθ) に直す手順は 3 段です。
実部と虚部の 2 乗和の平方根から絶対値 r を計算する
cos θ = a/r と sin θ = b/r の値を読む
tanθ だけで決めないところが要。cos と sin の符号がそろって初めて、角が 1 つに決まります。
以下、偏角は 0≤θ<2π でとります。
例:3+i
r=3+1=2。
cosθ=23,sinθ=21
どちらも正で第 1 象限。θ=6π に決まる。
3+i=2(cos6π+isin6π)
例:−1−i
r=1+1=2。
cosθ=−21,sinθ=−21
どちらも負で第 3 象限だから、θ=45π。
−1−i=2(cos45π+isin45π)
tanθ=1 だけを見ると 4π も候補に残りますが、そちらは第 1 象限。符号が合いません。
例:−4
実軸の負のほうにある点。r=4、cosθ=−1、sinθ=0 で θ=π。
−4=4(cosπ+isinπ)
実数でも極形式に直せる。負の実数の偏角が π になるところは、−1 をかけると半回転する話と重なります。
例:5i
r=5、cosθ=0、sinθ=1 で θ=2π。
5i=5(cos2π+isin2π)
例:3−33i
r=9+27=36=6。
cosθ=63=21,sinθ=6−33=−23
cos が正、sin が負なので第 4 象限。θ=35π になります。
3−33i=6(cos35π+isin35π)
有名角にならないとき
3+4i なら r=5 で、cosθ=53、sinθ=54。この値をとる角は有名角の表にありません。
3+4i=5(cosθ+isinθ)
θ は文字のまま置き、cosθ=53、sinθ=54 と添える。角の値を書けなくても、絶対値は 5 と決まっています。
かけ算や累乗では角が足されるだけで、θ の中身を知らなくても計算は進む。
−2+6i の偏角はどれですか。ただし 0≤θ<2π とします。
__RESULT__
r=2+6=22 で、cosθ=−21、sinθ=23 です。cos が負で sin が正だから第 2 象限にあり、θ=32π になります。
r が負の形は極形式ではない
−2(cos3π+isin3π) は、形だけ見ると極形式に似ています。ただし前の数が負のため、絶対値として読めません。
角に π を足すと、その符号を角のほうへ移せます。cos(θ+π)=−cosθ、sin(θ+π)=−sinθ だからです。
−2(cos3π+isin3π)=2(cos34π+isin34π)
a+bi の形で確かめると、左辺は −2(21+23i)=−1−3i。右辺も 2(−21−23i)=−1−3i で一致します。
半回転ぶん角を進めれば、マイナスが消える。−1 をかけることが π の回転だという話と同じ中身です。
cos−isin の形
2(cos4π−isin4π) も、そのままでは極形式ではありません。+ でつながっていないところが違う。
cos(−θ)=cosθ、sin(−θ)=−sinθ を使い、角の符号を変えます。
2(cos4π−isin4π)=2{cos(−4π)+isin(−4π)}
0≤θ<2π でとるなら 2π を足して 47π。共役をとると偏角の符号が変わる、という見方とつながっています。
sin+icos の形
sinθ+icosθ は、cos と sin が入れかわっています。sinθ=cos(2π−θ)、cosθ=sin(2π−θ) を当てる。
sinθ+icosθ=cos(2π−θ)+isin(2π−θ)
偏角は 2π−θ になります。θ=6π で試すと左辺は 21+23i、右辺の角は 3π で、cos3π+isin3π=21+23i。合っています。
3(cos5π−isin5π) を極形式の形に直すと、偏角はどれになりますか。ただし 0≤θ<2π とします。
__RESULT__
cos はそのまま、sin の符号だけが逆なので、角を −5π とすれば + でつながります。0 以上にそろえるため 2π を足して 59π。π を足す直し方は、前の数が負のときのものです。
極形式に直すとき見るのは、絶対値が正であること、cos が先で sin があとであること、あいだが + であることの 3 つ。どれかが崩れていたら、角をずらして形を整えます。
絶対値 $r = \sqrt{a^2+b^2}$ を計算し、$\cos\theta = \dfrac{a}{r}$ と $\sin\theta = \dfrac{b}{r}$ を読み、両方を満たす角を選ぶ。$\sqrt{3}+i$、$-1-i$、$-4$、$5i$、$3-3\sqrt{3}i$ を順に直します。まぎらわしいのは形が似た別物で、$-2(\cos\theta + i\sin\theta)$ は絶対値が負だから極形式ではなく、角に $\pi$ を足して直す。$\cos\theta - i\sin\theta$ は角の符号を変え、$\sin\theta + i\cos\theta$ は $\dfrac{\pi}{2} - \theta$ に置きかえます。
r=2+6=22 で、cosθ=−21、sinθ=23 です。cos が負で sin が正だから第 2 象限にあり、θ=32π になります。