共役複素数の性質を使うと、計算が簡潔になる場面が多い。主なテクニックを紹介する。
実部・虚部の取り出し
z=a+bi に対して、
Re(z)=2z+zˉ,Im(z)=2iz−zˉ
例題1
z=3+4i の実部と虚部を共役を使って求めよ。
Re(z)=2(3+4i)+(3−4i)=3
Im(z)=2i(3+4i)−(3−4i)=2i8i=4
絶対値の2乗
∣z∣2=zzˉ を使うと、平方根を避けられる。
例題2
∣z∣2=1 のとき、z+z1 が実数であることを示せ。
∣z∣2=zzˉ=1 より zˉ=z1。
よって z+z1=z+zˉ となり、これは実数。
例題3
∣z∣=1 のとき、z+1z−1 が純虚数または0であることを示せ。
w=z+1z−1 とおく。w が純虚数または0であることは w+wˉ=0 と同値。
wˉ=zˉ+1zˉ−1。∣z∣=1 より zˉ=z1 なので、
wˉ=1/z+11/z−1=1+z1−z=−z+1z−1=−w
よって w+wˉ=0 が成立。
共役の積への分配
z1z2=z1ˉ⋅z2ˉ を使った計算。
例題4
∣(1+i)(2−3i)∣2 を求めよ。
∣(1+i)(2−3i)∣2=(1+i)(2−3i)⋅(1+i)(2−3i)=(1+i)(2−3i)(1−i)(2+3i)
={(1+i)(1−i)}{(2−3i)(2+3i)}=2⋅13=26