zn=α を解くときは、両辺を極形式にそろえます。α は 0 でないとします。
α=r(cosφ+isinφ),z=s(cosθ+isinθ)
左辺は角を n 倍して長さを n 乗した形になるため、両辺を見比べる。
sn=r,nθ=φ+2kπ
s は正の実数だから、s=nr が 1 つに決まります。角のほうは 2π ずらせるぶんの自由があり、そこから解が枝分かれする。
θ=nφ+2kπ(k=0,1,…,n−1)
k=n にすると角が 2π ぶん増えて k=0 と同じ点へ戻るため、解はちょうど n 個。
例:z3=8
8 を極形式にすると 8(cos0+isin0)。r=8、φ=0 です。
s=38=2、θ=32kπ で k=0,1,2。
| k=0 | 2(cos0+isin0)=2 |
| k=1 | 2(cos32π+isin32π)=−1+3i |
| k=2 | 2(cos34π+isin34π)=−1−3i |
実数の解は 2 の 1 つだけで、残る 2 つは共役の組。z3−8=(z−2)(z2+2z+4) と因数分解し、z2+2z+4=0 を解いても同じ答えに着きます。
例:z4=−16
−16 は実軸の負のほうにあるため 16(cosπ+isinπ)。r=16、φ=π。
s=416=2、θ=4π+2kπ。k を動かすと 4π、43π、45π、47π の 4 つ。
z=2(cos4π+isin4π)=2(21+21i)=2+2i
残りも同じように書けます。
実数の解はありません。4 乗して負になる実数がないところと合っています。
2+2i を確かめると、2 乗して 2+4i+2i2=4i、もう一度 2 乗して 16i2=−16。
例:z3=−8i
−8i は虚軸の負のほうにあり、8(cos23π+isin23π)。
s=38=2、θ=323π+2kπ=2π+32kπ。
k=0,1,2 で 2π、67π、611π の 3 つ。
| k=0 | 2(cos2π+isin2π)=2i |
| k=1 | 2(cos67π+isin67π)=−3−i |
| k=2 | 2(cos611π+isin611π)=3−i |
k=0 の解を確かめると (2i)3=8i3=−8i。合っています。
解は円に等間隔で並ぶ
どの解も絶対値が nr で同じ。角だけが n2π ずつずれるため、半径 nr の円を n 等分した点に並びます。
結ぶと正 n 角形。α が変わると円の大きさと、最初の 1 点の角が変わるだけで、並び方は変わりません。
1 つ見つければ残りは回すだけ
z0 が zn=α の解で、ζ が 1 の n 乗根なら、z0ζ も解になります。
(z0ζ)n=z0nζn=α×1=α
だから z0、z0ζ、z0ζ2、…、z0ζn−1 が n 個の解。z3=8 なら z0=2 に 1 の 3 乗根をかければ、残り 2 つが並びます。
z4=1 の解の 1 つが 1 であることを使うと、z4=81 の解として正しくないものはどれですか。
__RESULT__
z4=81 の実数解は ±3 で、そこに 1 の 4 乗根 1,i,−1,−i をかけると 3、3i、−3、−3i になります。9 は 4 乗すると 6561 で、値が合いません。
実部と虚部で解く道と比べる
z2=i を z=x+yi とおいて解いてみます。
x2−y2=0,2xy=1
1 本目から y=±x。2xy=1 が正なので x と y は同符号で、y=x。2x2=1 から x=±21。
z=±(21+21i)
極形式なら i=cos2π+isin2π で s=1、θ=4π と 45π。同じ 2 点です。
n が 2 のうちは実部と虚部で解けますが、3 以上になると連立が高次になって重くなる。極形式のほうは n がいくつでも角の割り算 1 回で済みます。
z3=27i の解のうち、絶対値はいくつですか。
__RESULT__
∣27i∣=27 で、解の絶対値を s とすると s3=27 です。s は正の実数だから s=3。3 乗する前と後をとり違えると 27 を選んでしまいます。
n 乗根を求める手順は、絶対値を n 乗根にして、偏角を n で割って n2π ずつずらすところまで。α が何であっても、解は円の上に等間隔で n 個そろいます。
$z^n = \alpha$ は両辺を極形式にそろえて解きます。$\alpha = r(\cos\varphi + i\sin\varphi)$、$z = s(\cos\theta + i\sin\theta)$ とおくと $s^n = r$ と $n\theta = \varphi + 2k\pi$。$s$ は正の実数の $n$ 乗根に決まり、角は $\dfrac{\varphi + 2k\pi}{n}$ を $k = 0$ から $n-1$ まで動かして $n$ 個です。$z^3 = 8$、$z^4 = -16$、$z^3 = -8i$ を順に解く。解は半径 $\sqrt[n]{r}$ の円に等間隔で並び、1 つ見つければ $1$ の $n$ 乗根をかけて残りが拾えます。
z4=81 の実数解は ±3 で、そこに 1 の 4 乗根 1,i,−1,−i をかけると 3、3i、−3、−3i になります。9 は 4 乗すると 6561 で、値が合いません。