点 α と点 β の距離は、差の絶対値で決まります。
距離=∣β−α∣
β−α は点 α から点 β へ向かう矢印なので、その長さがそのまま隔たり。α=a+bi、β=c+di と書けば、中身は座標の公式と同じ。
∣β−α∣=(c−a)2+(d−b)2
例:α=1+2i と β=5−i
差を計算してから絶対値をとります。
β−α=(5−i)−(1+2i)=4−3i
∣4−3i∣=16+9=5。α−β=−4+3i としても絶対値は 5 で、引く向きは距離に効きません。
中点
2 点を足して 2 で割ります。
中点=2α+β
α=1+2i、β=5−i なら 26+i=3+21i。実部も虚部も平均になっている。
内分点と外分点
線分 AB を m:n に内分する点は、α 側に n、β 側に m の重みを付けた形になります。
m+nnα+mβ
分子の重みが向かい側に付くところが目印。β に近づけたいなら m を大きくするので、β の係数が m になります。
外分点は n を −n に替えるだけ。
m−n−nα+mβ
m=n だと分母が 0 になり、外分点は決まりません。等しい比の外分は、平行線の交点を探すのと同じで行き先がない。
例:1+2i と 5−i を 2:1 に
内分点は 31×α+2×β です。
3(1+2i)+2(5−i)=31+2i+10−2i=311
虚部が消えて実軸の上に乗りました。α の虚部 2 と β の虚部 −1 が、1:2 の重みでちょうど打ち消し合っています。
外分点は 2−1−α+2β。
−(1+2i)+2(5−i)=−1−2i+10−2i=9−4i
β を越えて向こう側にある点。α からの距離が ∣9−4i−1−2i∣=∣8−6i∣=10、β からは ∣9−4i−5+i∣=∣4−3i∣=5 で、比は 2:1 になっています。
α=−2+i と β=4+4i を 1:2 に内分する点はどれですか。
__RESULT__
32α+β=3(−4+2i)+(4+4i)=36i=2i です。重みの付け方を逆にすると 2+3i になり、2:1 の内分点のほうを指してしまいます。
三角形の重心
3 頂点を足して 3 で割る。
重心=3α+β+γ
α=1+2i、β=5−i、γ=3+5i なら 39+6i=3+2i。
中線を 2:1 に内分する点でもあります。β と γ の中点は 28+4i=4+2i で、α とこの点を 2:1 に内分すると 3(1+2i)+2(4+2i)=39+6i=3+2i。同じ点に着きました。
平行四辺形の 4 つ目の頂点
四角形 ABCD が平行四辺形になるのは、AB と DC が向きも長さも等しいとき。
β−α=γ−δ
δ について解くと、残り 3 頂点から 4 つ目が決まります。
δ=α−β+γ
α=1+2i、β=5−i、γ=6+3i なら δ=(1+2i)−(5−i)+(6+3i)=2+6i。
確かめると β−α=4−3i、γ−δ=(6+3i)−(2+6i)=4−3i。等しくなっています。
頂点をどの順に並べるかで答えが変わります。ABDC の順なら、別の点が 4 つ目になる。
α=2+i、β=6+3i、γ=4+7i を頂点とする三角形の重心はどれですか。
__RESULT__
3α+β+γ=312+11i=4+311i です。3 で割り忘れると 12+11i、虚部だけ割り忘れると 4+11i の形になります。
距離も中点も内分点も重心も、α と β を数として足し引きするだけで決まります。座標を x と y に分けて 2 回ずつ計算する手間が、複素数 1 本の式にまとまっている。
点 $\alpha$ と点 $\beta$ の距離は $|\beta - \alpha|$。$\beta - \alpha$ が $\alpha$ から $\beta$ へ向かう矢印なので、その長さがそのまま隔たりになります。中点は $\dfrac{\alpha + \beta}{2}$、$m : n$ の内分点は $\dfrac{n\alpha + m\beta}{m+n}$ で、重みが向かい側の頂点に付くところが目印。外分点は $n$ を $-n$ に替えるだけで、$m = n$ だと分母が $0$ になって決まりません。三角形の重心 $\dfrac{\alpha+\beta+\gamma}{3}$ と、平行四辺形の 4 つ目の頂点 $\alpha - \beta + \gamma$ まで。
32α+β=3(−4+2i)+(4+4i)=36i=2i です。重みの付け方を逆にすると 2+3i になり、2:1 の内分点のほうを指してしまいます。