∣z−α∣ は点 α と点 z の距離でした。だから ∣z−α∣=r は、α から距離 r の点をすべて集めた形になります。
∣z−α∣=r⟺中心 α, 半径 r の円
∣z−(1+2i)∣=3 なら、中心が 1+2i で半径 3。∣z∣=5 は中心が原点で半径 5 の円。
距離が等しい点は直線
2 定点からの距離が等しい点を集めると、線分の垂直二等分線になる。
∣z−α∣=∣z−β∣
∣z−i∣=∣z+1∣ を座標で確かめます。z=x+yi とおくと、左辺は x2+(y−1)2、右辺は (x+1)2+y2。
両辺を 2 乗して展開する。
x2+y2−2y+1=x2+2x+1+y2
x2 と y2 と定数が消えて −2y=2x、つまり y=−x。点 i と点 −1 を結ぶ線分の垂直二等分線です。
z=0 で試すと ∣0−i∣=1、∣0+1∣=1。原点はこの直線の上に乗る。
比が一定の点は円
距離の比が 1 でない一定値になる点を集めると、こんどは円になる。
∣z−α∣=k∣z−β∣(k>0, k=1)
アポロニウスの円と呼ばれる形。k=1 のときだけ直線になり、そこから外れると円に変わります。
例:∣z∣=2∣z−3∣
両辺を 2 乗し、∣w∣2=ww に置きかえます。
zz=4(z−3)(z−3)
右辺を展開する。
zz=4(zz−3z−3z+9)=4zz−12z−12z+36
左辺へ寄せて 3 で割ります。
zz−4z−4z+12=0
zz−4z−4z は (z−4)(z−4) から 16 を引いた形。両辺に 16 を足して、その形をつくります。
(z−4)(z−4)=4
左辺は ∣z−4∣2。両辺の平方根をとって ∣z−4∣=2 になりました。中心 4、半径 2 の円。
円の上の点で確かめる
実軸との交点は z=2 と z=6。どちらも比が 2 になっています。
| z=2 | ∣2∣=2、2∣2−3∣=2 |
| z=6 | ∣6∣=6、2∣6−3∣=6 |
| z=4+2i | ∣4+2i∣=25、2∣1+2i∣=25 |
2 は 0 と 3 を 2:1 に内分する点、6 は 2:1 に外分する点。内分点と外分点を直径の両端にした円が、アポロニウスの円になります。
∣z−2∣=∣z−2i∣ が表す図形はどれですか。
- 中心 2、半径 2 の円
- 直線 y=x
- 原点を中心とする円
__RESULT__
点 2 と点 2i から等しい距離にある点の集まりなので、この 2 点を結ぶ線分の垂直二等分線です。z=x+yi とおいて 2 乗すると (x−2)2+y2=x2+(y−2)2 となり、−4x=−4y から y=x になります。
実軸や虚軸に平行な直線
共役を使えば、実部と虚部をそのまま条件に書ける。
z+z=2a⟺実部が a
z−z=2bi⟺虚部が b
実部が一定なら、実軸に垂直な直線。虚部が一定なら、実軸に平行な直線になります。
z+z=6 は x=3 の直線。z−z=4i なら y=2 の直線。
円の式をほどく
∣z−α∣=r を 2 乗して展開すると、次の形が現れます。
zz−αz−αz+∣α∣2−r2=0
逆に zz−γz−γz+c=0(c は実数)という式を見たら、∣z−γ∣2=∣γ∣2−c に直せます。右辺が正なら円、0 なら 1 点、負なら該当する点がない。
さきほどの zz−4z−4z+12=0 なら γ=4、c=12 で、右辺は 16−12=4。半径 2 という結果と合っています。
∣z+1∣=3∣z−1∣ が表す図形の中心はどれですか。
__RESULT__
両辺を 2 乗して (z+1)(z+1)=9(z−1)(z−1) を展開すると 8zz−10z−10z+8=0、つまり zz−45z−45z+1=0 です。γ=45 が中心になります。
距離をそのまま書けば円、距離が等しいと書けば直線、距離の比を書けばまた円。∣z−α∣ という 1 つの形の使い方だけで、どちらも書き分けられます。
$|z - \alpha| = r$ は中心 $\alpha$、半径 $r$ の円。$|z - \alpha| = |z - \beta|$ は 2 点から等しい距離にある点なので、線分の垂直二等分線になります。比が $1$ でない $|z - \alpha| = k|z - \beta|$ は円で、$|z| = 2|z-3|$ を $2$ 乗して $z\overline{z}$ に置きかえると $|z - 4| = 2$ が現れる。$0$ と $3$ を $2 : 1$ に内分する点と外分する点が、その直径の両端になります。$z + \overline{z} = 2a$ と $z - \overline{z} = 2bi$ が表す直線まで。
点 2 と点 2i から等しい距離にある点の集まりなので、この 2 点を結ぶ線分の垂直二等分線です。z=x+yi とおいて 2 乗すると (x−2)2+y2=x2+(y−2)2 となり、−4x=−4y から y=x になります。