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条件つき等式は文字を 1 つ消してから示す

のとき が成り立ちます。この形の証明で使う手は つ、条件式から文字を つ消すことです。

を左辺に入れます。

を引くと 。いっぽう右辺は で、同じものになりました。

文字が つあっても、条件式が 本あれば自由に動くのは つだけ。 文字を追い出せば、条件なしの等式に変わります。

消す文字を選ぶ

どれを消しても証明はできますが、手間は変わります。目安は つ。

次数が低い位置に現れる文字を消すと、展開が軽い。
対称性が高い式なら、どれを消しても同じ手数になる。

のように対称な条件なら、どれを選んでも同じ。 のように係数が違うなら、係数 の文字を消すほうが分数を避けられます。

両辺を別々に変形する

消去したあとは、左辺と右辺をそれぞれ独立に変形して、同じ形に着地させます。

等式の証明では、左辺と右辺を等号でつないだまま移項していく書き方を避けます。証明したい等式を最初から使ってしまうため。片方ずつ整理して、最後に「よって左辺 右辺」と締める形が安全です。

差をとって を示す道もあります。 を計算して になれば証明完了。式が複雑なときはこちらが速い。

条件が比の形のとき

のように比で与えられた条件も、文字を消す方針で通せます。 に直してから 文字を追い出す。

ただし比の条件には、もっと相性のよい扱い方があります。 とまとめて置く方法で、そちらは文字を消すのではなく増やす向きの工夫です。

分数式が条件のとき

のような条件は、分母を払って に直してから使います。分数のまま代入すると式が膨らむ。

このとき , , はどれも でないことが前提に入っています。答案では「, , はいずれも でない」と書いておく。条件式が分数で与えられた時点で決まっている事実ですが、明記しておくと途中の変形が正当化されます。

と をどう動かしても、 は の反対側へ自動的に決まります。青い棒と灰色の棒はいつも同じ長さで向きが逆。これが の姿です。

手順をまとめる

条件つき等式の証明は、次の 手で片づきます。

条件式を 1 文字について解く

証明したい式に代入して文字を減らす

両辺を別々に整理して同じ形にする

代入したあとは、条件のない普通の等式変形。難しさは最初の 手にしかありません。どの文字を消すか、その判断だけが計算量を左右します。

a + b + c = 0 のとき a³ + b³ + c³ = 3abc。この形の証明は、条件式を 1 文字について解いて代入する一手で片づきます。文字が 3 つでも条件が 1 本あれば自由に動くのは 2 つだけ。消す文字の選び方で計算量が変わり、係数 1 の文字を選ぶと分数を避けられます。分数の条件は先に分母を払う。