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分数式の約分計算(因数分解を使う問題と使わない問題)

を約分すると になります。

約分は、分母と分子に共通する因数を消す作業です。数の分数で を にするのと変わらない。

違うのは、共通の因数がそのまま見える式と、因数分解して初めて見える式があることだけです。

分母と分子を因数の積の形にする

共通の因数を消す

これ以上消せない形にする

消せなくなった分数式を既約分数式という。

単項式なら個数を数えるだけ

分母も分子も単項式なら、因数分解はいりません。同じ文字が何個ずつあるかを数え、少ないほうの個数だけ上下で消える。

例 1:

は が 3 個、 は 2 個の積です。上下で 2 個ずつ消えて、 が 1 個残る。

個数の引き算で 。指数法則 は、この消し方をそのまま式にしたものです。

例 2:

文字と係数を分けて考えます。 は 個残り、係数は 。

係数の約分は数の分数と同じやり方です。指数を引くのは文字のほうだけ。

例 3:

分母の次数のほうが大きい形です。消えるのは少ないほうの 5 個で、分母に 個残る。

係数は です。分子に文字が残らないため、分子は になる。

例 4:

文字が 2 種類でも、種類ごとに数えるだけ。 は分母に 個、 は分子に 個残る。

係数は 。

は分母、 は分子に残りました。文字ごとに残る側が変わる。

因数分解して初めて見える型

分母や分子が多項式になると、共通の因数はそのままでは見えません。

を見ても、上下に同じものは 1 つも並んでいない。因数分解すると現れます。

例 5:

すでに積の形なので、そのまま消せる。上下にある が共通因数です。

先に展開してしまうと、この が見えなくなる。因数分解された形は、そのまま使うほうが得です。

例 6:

分子は共通因数 でくくれます。分母は 2 乗の差。

が消えました。くくり出しと 2 乗の差は、分数式で最もよくあてる 2 つです。

例 7:

2 次式を 2 つとも因数分解します。分子は足して 、かけて になる 2 数が と 。

分母は足して 、かけて になる 2 数で、 と です。

共通因数は 。因数分解する前は、どこが共通なのかを見分けられない。

例 8:

3 乗の差と 2 乗の差です。、。

残った は、これ以上因数分解できません。ここで既約分数式になる。

消せるのは因数だけ

の どうしを消して にする。分数式で最も多い誤りです。

消せるのは、かけ算でつながった因数だけです。足し算でつながった項は消せない。

数を入れれば確かめられます。 なら で、 とは違う。

消せる形

。分子は で、 はかけ算でつながった因数

消せない形

。分子の は項で、 と足し算でつながっている

例 6 の も、因数分解する前に を消すと誤りになる。 はどちらの式でも項だからです。

因数分解を先に置く理由がここにあります。積の形にしてしまえば、消してよいものだけが並ぶ。

を約分するとどれですか。

__RESULT__

係数は です。 は分母に 個、 は分子に 個残ります。 は指数を足した形で、約分では引き算になる。

を約分するとどれですか。

__RESULT__

、 なので、共通因数 が消えて です。 は どうしを消した形で、 は項だから消せません。

積の形にしてから消す。単項式なら文字の個数を数えるだけで、多項式ではその一歩目が因数分解になります。

単項式どうしなら、同じ文字が何個あるかを数えて少ないほうだけ消します。$\dfrac{12a^2b^5}{18a^8b^3}$ なら $a$ は分母に 6 個、$b$ は分子に 2 個残る。多項式になると共通因数がそのままでは見えないため、くくり出しや 2 乗の差で因数分解してから消す。$\dfrac{x^2-3x-28}{x^2+9x+20}$ なら $(x+4)$ が共通因数です。消せるのはかけ算でつながった因数だけで、$\dfrac{x+5}{x}$ の $x$ は項だから消せません。$x = 2$ を入れれば $\dfrac{7}{2}$ になり、$5$ にならないことを確かめられる。