不等式の証明は差をとって平方に持ち込む
を示したいとき、まず を作ります。差が 以上であることが言えれば、それがそのまま証明になる。
引き算に直したあとの仕事は、その式が 以上だと分かる形に書き換えることです。使える形は多くありません。
平方に持ち込めるかどうかが勝負どころ。 次式なら平方完成、複数文字なら文字ごとに平方をまとめます。
例で流れをつかむ
を示します。差をとると
これで終わりです。等号が成り立つのは 、つまり のとき。
をどう動かしても、曲線は軸より下へ行きません。触れるのは の 点だけ。 乗が 以上であるとは、この絵のことです。
平方が 1 つで足りないとき
文字が つ以上あると、 つの平方に押し込めない場合があります。そのときは平方を並べます。
を示してみる。差を 倍してから整理します。
右辺は 乗の和なので 以上。 で割って、もとの不等式が出ます。
倍したのは、 を つの平方で分け合わせるためです。 と の両方に が要る。この「 倍してから」は、対称式の証明で繰り返し出てきます。
等号は かつ かつ 、つまり つとも等しいとき。平方の和が になるには、すべての平方が同時に でなければなりません。
本のバーが同時に になる瞬間は、めったに訪れません。等号成立条件が厳しくなるのは、平方の数だけ条件が重なるためです。
平方に持ち込めないとき
すべてが平方で片づくわけではありません。よく使う逃げ道が つあります。
ひとつは因数分解。差が のような積になり、各因数の符号が条件から分かるなら、それで済みます。
もうひとつは両辺を 乗する方法。ただし使えるのは両辺とも 以上のときだけ。根号や絶対値が入った不等式で効きます。, なら が成り立つので、根号を外してから差をとれます。
乗する前に「両辺とも 以上である」と書く。この 行を落とすと、証明が成立しません。
等号成立を必ず書く
不等式の証明は、 以上を示して終わりではありません。等号がいつ成り立つかまで書いて完成です。
平方の形にしてあれば、その中身が になる条件を書くだけ。 なら 、平方の和なら全部が同時に になる条件。
最大最小の問題では、この等号成立条件が答えそのものになります。証明問題で習慣にしておくと、最小値を問われたときに手が止まりません。











