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コーシー・シュワルツの不等式(内積で読む)

実数 , , , に対して、次が成り立ちます。

コーシー・シュワルツの不等式です。左辺は 乗和どうしの積、右辺は掛けて足したものの 乗。等号が立つのは 、つまり のときです。

差をとると平方が残る

証明は展開して引くだけ。左辺を展開すると 、右辺は 。差をとります。

きれいに 乗が残りました。等号は のとき。

内積で読むと意味が見える

, と置くと、この不等式は内積の話になります。

内積は なので、右辺は 。 だから成り立つ、というだけの話です。

等号は 、つまり つのベクトルが平行なとき。 という条件は、平行を成分で書いたものでした。

本のベクトルが開くにつれて、下のバーが縮みます。バーの右端が 、いまの長さが 。重なったときだけ右端に届く。

判別式でも示せる

もう つの証明を挙げます。実数 についての 次式を作る方法です。

乗の和なので、どんな でも 。展開すると の 次式になります。

次係数が正で、すべての で 以上。したがって判別式が 以下です。

移項すればコーシー・シュワルツの形。等号は となる が存在するとき、つまり かつ を満たす があるときです。

この道筋は文字が増えても通用します。 個の場合でも同じ 次式を作れば示せる。

最大最小に使う

のとき の最大値を求めます。 と見て当てはめる。

左辺は なので 、よって 。最大値は です。

等号は かつ から のとき。三角関数で置きかえる解き方より短く済みます。

単位円を 周させると、 の値が と のあいだを行き来します。薄い線は の向き。点がその向きに来たときだけ、バーが端に届きます。

使いどころの見分け

コーシー・シュワルツが効くのは、 乗和が条件に、 次式が目標に現れる問題です。 のもとで を評価する形が典型。

逆向きもあります。 のもとで の最小値を求める問題なら、 から 。等号は です。

どちらに使うかは、条件と目標のどちらが 乗和かを見て決めます。

(a²+b²)(x²+y²) ≥ (ax+by)²。差をとると (ay - bx)² が残るだけで証明は終わります。ベクトルに直せば、内積が |p||q|cosθ である以上 cos²θ ≤ 1 という当たり前の話。判別式を使う別証も挙げました。x² + y² = 1 のもとで 3x + 4y の最大値を出す、といった場面で短く効きます。