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和が分かれば積も出る(sinθ+cosθ と sinθcosθ の対称式)

という条件だけで、 も も決まります。

角そのものは求めません。両辺を 2 乗して、 を使うだけ[1]。

と を入れかえても形の変わらない式が、この計算で扱える対象になる。

入れかえても変わらない式

や は、 と を入れかえても同じ式のまま。こうした式を対称式と呼びます[2]。

も も対称式。一方 は入れかえると符号が変わるので、対称式ではない。

対称式は、和 と積 の 2 つだけで書き直せます[2]。この 2 つが土台になる。

三角比では が に固定されています。ここが普通の文字式と違う点になる。

和を 2 乗すると積が出てくる

と置きます。両辺を 2 乗して展開する。

の部分が になるので、式が短くなります[3]。

正方形の面積を 4 枚に分けた図です。青と緑を足すと になり、残る 2 枚が を表す。

積のほうを と書けば、。これを移項すると が出ます。

例:和が 1/2 のとき積を出す

を代入する。

積が負なので、 と の符号が違うと分かる。この範囲では が正なので、 が負、つまり は鈍角です。

差の 2 乗も同じ材料で出る

を展開すると、真ん中の項の符号だけが変わる。

和の 2 乗が 、差の 2 乗が 。足すと になり、引くと になる。

例:差の絶対値を出す

さきほどの を使う。

になる。

差そのものの符号は、これだけでは決まりません。鈍角なら なので差は正になる。

3 乗の和

という展開を使います。文字を三角比に置きかえる。

を使うと、もっと短い形になります。

例:3 乗の和を出す

、 を代入する。

です。展開の形から入っても同じ値が出る。

と さえ手元にあれば、何乗の和でも順に作れる ようになります。

乗なら 乗の結果を、 乗なら 乗の結果を土台にする。

4 乗の和は積だけで決まる

を、 乗の和から作る。

が消えて だけが残りました。偶数乗では和の情報が要らなくなる。

例:4 乗の和を出す

なので 。

。 乗の和は、いつも 以上 以下に収まります。

s のとりうる範囲

は 乗なので、 以上です。だから 。

に入れると になり、 が出ます[3]。

から に限ると、下側にも制限が付きます。 かつ なので、[4]。

まとめると です。上限は 、下限は でとる。

のとき、 の値はどれですか。

__RESULT__

です。 が上限の なので にあたり、 と直接計算しても合います。

例:値から角を決める

なら でした。 なので、。

この範囲で正弦と余弦が等しくなるのは だけです。

の場合は になる。積が なので、 か の一方が です。答えは と の 2 つ。

のとき、 の値はどれですか。

__RESULT__

なので、 です。 は の値で、 を引き忘れた場合の答えになります。

条件が和で与えられても積で与えられても、 と の一方が決まればもう一方も決まります。あとは作りたい式を と で書き直すだけ。

出典

Steven Butler. Notes from Trigonometry. Section 5.4, The Pythagorean identities.
Eric W. Weisstein. *Symmetric Polynomial*. MathWorld, Wolfram Research.
Section 4.21, Identities. NIST Digital Library of Mathematical Functions.
*Trigonometric functions*. Encyclopedia of Mathematics, European Mathematical Society.
sinθ + cosθ = 1/2 という条件だけで、sinθcosθ も 3 乗の和も 4 乗の和も決まります。角そのものは求めません。和を 2 乗して sin の 2 乗 + cos の 2 乗 = 1 を使うと、s の 2 乗 = 1 + 2p が出る。あとは作りたい式を s と p で書き直すだけです。1 辺が sin + cos の正方形を 4 枚に切る図で、この関係が面積として見えます。差の 2 乗が 1 - 2p になること、3 乗の和が s(1-p) にまとまること、4 乗の和からは s が消えること、s のとりうる範囲が -1 以上 2 の平方根以下になる理由まで。