正五角形に隠れた黄金比 - 18 度と 36 度の三角比を図で出す
分子の符号がひとつ違うだけの、よく似た 2 つの値。どちらも という根号を持ちます。
でも でもなく が出てくるのは、この角が正五角形から来ているためです。
正五角形から三角形を 1 つ切り出す
正五角形の中心角は 、内角は になる。
対角線を 1 本引くと、頂角 、底角が ずつの二等辺三角形が現れる。

この三角形を とします。 が頂角の 、、底辺 を と置く。
ユークリッドも正五角形の作図で、この と の二等辺三角形を土台にしています[3]。
底角を二等分すると相似な三角形が出る
角 を二等分し、 との交点を とします。角 と角 がどちらも になる。
三角形 の角を数えると、、、。もとの三角形と同じ形です。

三角形 は底角が ずつなので になる。三角形 は角 と角 がどちらも なので です。
なので 。材料がそろいました。
2 次方程式にたどりつく
三角形 と三角形 が相似なので、対応する辺の比が等しくなる。
数を入れると になる。内項の積と外項の積を等しく置く。
解の公式から です。長さなので正の解だけをとる。
になりました。ここで が現れます。
例:sin 18 度を高さから出す
頂点 から底辺 へ垂線を下ろします。二等辺三角形なので、頂角 が二等分される。
できた直角三角形の頂角は 、斜辺は 、対辺は 。

正弦は対辺を斜辺で割った値です。斜辺が なので、対辺がそのまま答えになる。
例:cos 36 度を別の三角形から出す
さきほどの三角形 を使います。、、底角が ずつの二等辺三角形。
から へ垂線を下ろすと、 の中点で交わります。だから になる。
を入れて有理化します。
分子の符号が と逆になりました[2]。
と は 分子が 1 だけ違う ので、差も積も簡単な数になります。
差は 、積は 。
残りの 4 つは二重根号になる
値は と 。正接のほうも根号が二重に重なります。
| 角 | sin | cos |
|---|---|---|
| 18 度 | 0.3090 | 0.9511 |
| 36 度 | 0.5878 | 0.8090 |
検算のしかた
平方の和で確かめます。 と を 乗して足す。
根号の項が打ち消し合いました。 の側でも同じ形で に戻る。
黄金比という名前
の逆数は 。この数を黄金比と呼びます。
ユークリッドは線分の分け方として定義しました。全体と長いほうの比が、長いほうと短いほうの比に等しくなる分け方です[4]。
という式は、まさにその条件を書いたものになっている。
の値はどれですか。
正五角形の対角線と 1 辺
対角線と 1 辺の比も、この黄金比になります[5]。
1 辺を 、対角線を とすると 。

対角線を 5 本すべて引くと、中央に小さな正五角形が現れます。この小さい五角形も、同じ比を持つ。
例:1 辺が 4 の正五角形
対角線は になる。
外接円の半径は 。
辺の 倍という関係です[5]。 と の値が、そのまま計量に効いてくる。
例:正五角形の面積
辺 の正五角形の面積は、 の正接から書けます[5]。
なら 、 なら になる。
正方形の 倍、正六角形の 倍と並べると、辺の数が増えるほど大きくなる様子が見える。
辺が の正五角形の対角線の長さはどれですか。
対角線と 1 辺の比は黄金比なので、 です。 は 辺が のときの値になります。
の値が正三角形から、 の値が正方形から出たように、 と の値は正五角形から出ます。 が顔を出すのは、五角形の対角線が黄金比を作るため。













41+5≒0.809 です。45−1 は sin18∘、21+5≒1.618 は黄金比そのもので、1 を超えるので余弦の値になりません。