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tan が分かれば場合分けが要らない〜三角比を tanθ から出す

と言われたら、、 と 1 組に決まります。

正弦から出発したときのような場合分けは要りません。正接の符号が、そのまま余弦の符号を教えてくれるため。

から の範囲では、 がつねに正。だから の符号は、分母の符号だけで決まる。

正接と余弦をつなぐ式

の両辺を で割る[1]。

左の分数は です。書き直すと次の形になる。

正接だけが分かっている状態から、余弦の 2 乗が出せる式です[2]。

canvas: 式は呼び出しにそのまま書いてください。この引数は焼けません -> drawMath(… labelA …)

右の三角形に三平方の定理を当てると、そのまま同じ式が出てきます。 が斜辺の 乗になる。

符号は正接から決まる

を平方根にすると、形の上では が付きます。

ところが なので、 と は同じ符号です[3]。だから迷う場面がない。

原点を通る直線は左右へ伸びますが、上半分の円と交わる点は 1 つだけ。ここが答えが 1 組になる理由です。

手順は 3 段

正接から出発するときの流れをまとめる。

1 + tan の 2 乗から cos の 2 乗を出す

tan と同じ符号で cos を決める

sin は tan かける cos で出す

という最後の一手が短いので、 を平方根から出す必要はない。

例:tan が 3/4 のとき

になる。

が正なので 。 になります。

角は 。辺が 、、 の直角三角形と同じ組になりました。

例:tan が -3/4 のとき

乗すると符号が消えるので、 はさきほどと同じ になる。

が負なので、今度は を選ぶ。

正弦は正のまま。角は になります。

の符号を変えても、正弦の値は変わりません。動くのは余弦だけです。

単位円で見れば、 軸について折り返した位置に移っただけ。

例:tan が 2 のとき

なので 。

です。角は になる。

分母を有理化して と書くこともできます。

例:tan が -1 と -3 の平方根のとき

なら で 。負を選んで 。

で、角は になる。

なら で 、、角は です。

tan の値cos角
3/44/536.9 度
-3/4-4/5143.1 度
-1-2 の平方根 / 2135 度

直角三角形から読む手もある

が分数なら、その分子と分母を 2 辺とする直角三角形が描けます。

なら対辺 、隣辺 。斜辺は になる。

鋭角ならこの読み方で終わりです。鈍角のときは、出てきた余弦に負号を付ける。

で のとき、 の値はどれですか。

__RESULT__

から です。 が負なので余弦も負になり、 の 1 つに決まります。

3 つの出発点を並べる

同じ関係式を使っていても、どの値から出発するかで答えの個数が変わります。

から出発すると、余弦の符号が決まらず 2 組になる。
から出発すると、正弦が正と決まっているので 1 組になる。
から出発すると、符号まで込みで 1 組に決まる。

正接がいちばん情報を多く持っています。符号と大きさの両方を、1 つの値で伝えているため。

と等しいものはどれですか。

__RESULT__

の両辺を で割ると出ます。 のほうは、 で割ったときに出る式で、左辺が になります。

正接には符号という情報が含まれています。そのぶん、場合分けを 1 段省ける[4]。

参考文献

Steven Butler. Notes from Trigonometry. Section 5.4, The Pythagorean identities.
Table 4.16.3, Elementary Properties. NIST Digital Library of Mathematical Functions.
*Further trigonometry*. The Improving Mathematics Education in Schools (TIMES) Project, AMSI and ICE-EM.
*Trigonometric functions*. Encyclopedia of Mathematics, European Mathematical Society.
tanθ = 3/4 と言われれば、cosθ = 4/5、sinθ = 3/5 と 1 組に決まります。sin から出発したときの場合分けが要らないのは、この範囲で sin が正なので tan と cos の符号が一致するからです。使う式は 1 + tan の 2 乗 = 1 / cos の 2 乗。sin と cos と 1 の三角形を cos で割ると、tan と 1 の三角形になり、三平方の定理からそのまま出ます。tan が 2 のとき、-1 のとき、-3 の平方根のときの計算例と、分子と分母を 2 辺にとって直角三角形を描く読み方も置きました。