三角定規の 2 枚から出る三角比(30 度、45 度、60 度の値)
、、 の三角比だけは、表も電卓も要らずに書けます。値が根号だけで表せるため。
もとになる図は 2 つしかない。正方形を対角線で切った形と、正三角形を高さで切った形です。
学校で使う三角定規の 2 枚が、そのままこの 2 つの形になる。
正方形を対角線で切る
1 辺 の正方形をとります。対角線を 1 本引くと、直角二等辺三角形が 2 つできる。
もとの角 が半分に分かれるので、残る 2 つの角はどちらも です[1]。

2 辺が ずつなので、斜辺は三平方の定理から になる。
例:45 度の 3 つの値
対辺も隣辺も 、斜辺が です。定義に入れるだけで値が出る。
正弦と余弦が同じ値になりました。二等辺なので、対辺と隣辺を入れかえても図が変わらないため。
正接がちょうど になるのも同じ理由。 は暗算の目印として使えます。
正三角形を高さで切る
1 辺 の正三角形をとります。頂点から底辺へ垂線を下ろすと、底辺がちょうど半分に分かれる。
正三角形の内角は です。頂角が二等分されるので、できる直角三角形の角は 、、 に決まる[2]。

底辺の半分が 、斜辺が 。高さは三平方の定理から出ます。
辺の比が の直角三角形になりました。
例:30 度の値
から見ると、対辺が 、隣辺が 、斜辺が 。
は、正三角形の底辺が半分に切れることをそのまま言い直した式です[3]。
例:60 度の値
同じ三角形を の側から読みます。対辺と隣辺が入れかわる。
と が同じ値、 と が同じ値になりました。
正接どうしは で、逆数の関係になる。
辺の比を 2 つ覚えれば足りる
値を 9 個そのまま覚えるより、辺の比を 2 つ持っておくほうが軽い。
と は 、 は 。この 2 行だけで 9 個の値が作れる。
| 角 | 正弦 | 余弦 |
|---|---|---|
| 30 度 | 1/2 | 3 の平方根 / 2 |
| 45 度 | 2 の平方根 / 2 | 2 の平方根 / 2 |
| 60 度 | 3 の平方根 / 2 | 1/2 |
正接は正弦を余弦で割れば出ます。 という計算になる。
例:斜辺が 6 の 30 度 60 度の直角三角形
比が で、斜辺が とします。斜辺は比の にあたるので、倍率は 。
の対辺が 、 の対辺が になります。
比を先に決め、あとから倍率を掛ける。この順で計算すると根号の扱いが軽くなります。
例:直角二等辺三角形で斜辺から脚を出す
斜辺が の直角二等辺三角形をとる。比は です。
を使うと 前後。 に戻るので、計算は合っている。
分母に根号を残さない
のままでも誤りではありません。ただし答案では、分母を有理化した形が使われる。
分子と分母に同じ数を掛けているので、値は動かない。 も同じ手順です。
と は 同じ数の別の書き方 で、 という値は変わりません。
小数に直して確かめると、どちらも同じ値だと納得しやすい。
正弦の値には並びがある
から までの 5 つを順に並べると、分子の中身が 、、、、 と 1 ずつ増える。

、、 なので、両端は と になります。
余弦は同じ並びを右から左へ読むだけ。 から始まり、 で終わります。
の値はどれですか。
例:正三角形の高さと面積
1 辺 の正三角形の高さを、三角比で書き直します。頂角を二等分すると の直角三角形が現れる。
面積は底辺と高さから出る。
なら 、 になります。
例:正方形の対角線と正六角形
1 辺 の正方形の対角線は です。 の三角比から直接出てくる長さ。
正六角形は正三角形 6 個に分けられます。1 辺 なら面積は 。
の正六角形なら 。三角比を使うと、正多角形の計量が 1 本の式にまとまります。
1 辺が の正三角形の高さはどれですか。
高さは です。 は底辺の半分、 は を掛け忘れて だけを掛けた値になります。
刻みを細かくすると根号が増える
と の中間にあたる にも、根号で書ける値がある。
数表にはこうした角の値も載っています[4]。ただし根号が二重に重なるので、図から直接読む形にはならない。
、、 が特別なのは、値が簡単だからではありません。正三角形と正方形という、身近な図形をただ半分にすれば出てくるため。













60∘ から見ると対辺が 3、隣辺が 1 なので tan60∘=3 です。23 は sin60∘、31 は tan30∘ の値になります。