部分和が書ければ和は出る?等比でない無限級数の収束と発散
を途中まで足すと、 項で 、 項で 、 項で である。
公比のない級数だが、和は に決まる。部分和が という閉じた形で書けるからである[1]。
等比級数には という公式があった。そうでない級数は、部分和を自分で作るところから始める。
部分和が書ければ極限がとれる
無限級数 の第 部分和は である[1]。
が収束すれば級数は収束し、その極限を級数の和と呼ぶ。発散すれば和は存在しない。
級数の話は、部分和という数列の話に置きかわる。難しいのは を閉じた形で書くところで、そこさえ越えれば後は数列の極限である。
例:部分分数に分けてたたむ
と分けると、隣どうしが打ち消し合う[1]。
中間の項が全部消え、最初と最後だけが残る。望遠鏡をたたむ形なので、望遠鏡和と呼ばれる。
例:隣どうしでない打ち消し
では、分けたときの差が 2 つ飛びになる。
側と 側が 2 つずれるので、頭に 2 つ、尻尾に 2 つ残る。
ずれの個数だけ残る項が増える。分けた形を書き、実際に何項か並べて確かめておく。
例:たためても発散する
を見る。分母を有理化すると差の形になる。
部分和は で、 とすると に発散する。
たためることと収束することは別である。残った項が に向かうかどうかで決まる。
級数どうしの足し算
と がどちらも収束するなら、和と差も収束して次が成り立つ。
部分和どうしの計算なので、数列の極限の四則がそのまま移る。
発散する級数を含む場合は使えない。 は だが、 単独は発散するので、2 つに分けて書けない。
一般項が へ向かわなければ発散
級数が収束するなら、一般項は必ず に向かう[3]。対偶をとると判定法になる[2]。
は一般項が に向かうので、足す前に発散と分かる。
も一般項の極限が存在しないので発散する。手軽で、まず最初に当てる判定になる。
この判定は、発散を示すときにだけ使える[2]。
一般項が に向かっても、そこから収束は言えない。判定は「分からない」で終わる。
一般項が でも収束しない
を調和級数という。一般項は に向かうのに、和は発散する[1][3]。
項を 個、 個、 個と束にすると理由が見える。各束の中でいちばん小さい項に置きかえても、束の合計は を下回らない。
束を 個集めれば部分和は を超える。壁をいくらでも越えられる。

乗の分母では境目がある
は で収束し、 で発散する[2]。
境目はちょうど 、つまり調和級数である。 は発散する側に入る。
なら収束し、 なら発散する。指数がわずかに を超えるだけで結果が変わる。
例: が収束することを手で示す
では なので、次の不等式が成り立つ。
右辺の和は望遠鏡和になり、 である。したがって部分和は を超えない。
増え続けて上に有界なので収束する。ここまでは高校の道具だけで書ける。
値そのものは難しい。オイラーが 1735 年に だと示した[4]。 である。
部分和は 項で 、 項で 、 項で 。近づき方はかなり遅い。
積分と比べて判定する
正で減っていく項なら、対応する関数の広義積分と運命を共にする[2]。
となる連続で減少する をとると、 と は同時に収束し、同時に発散する[2]。
短冊と曲線の面積を比べる形なので、区分求積と同じ図で理解できる。

短冊は曲線の上に出るので、 が成り立つ。
右辺が に発散するので、調和級数も発散する。束を作る議論と同じ結論が、面積の比較から出てくる。
なら で有限なので、こちらは収束する側になる。
符号が交互に変わる級数
は収束する。値は である。
部分和は 、、、、、 と、上下をまたぎながら幅を狭めていく。
絶対値をとった は発散する。符号が交互に入ることで、打ち消し合いが起きている。
項が積み上がる一方。 は発散する
行き過ぎと戻りを繰り返す。 は に収束する
の和はいくつか。
判定法のほうも確かめる。
はどうなるか。
- 一般項が に向かうので収束する
- が 以下なので発散する
- 一般項の極限が存在しないので発散する
で なので発散する。一般項は に向かうが、そこから収束は言えない。極限は存在するので、3 番目の理由も誤りである。
等比級数以外では、部分和を閉じた形にできるかどうかが最初の分かれ道になる。書けなければ、収束するかしないかだけを判定法で決める。













31(n1−n+31) と分けると、頭に 3 項残る。31(1+21+31)=1811 である。31 は係数だけを答えた値、21 はずれを 1 つと見た誤りになる。