n1{(n1)2+(n2)2+⋯+(nn)2} を計算すると、n=10 で 0.385、n=100 で 0.33835、n=1000 で 0.333834 です。
行き先は 31。そしてこの値は ∫01x2dx と同じものです。
n→∞limn1k=1∑n(nk)2=∫01x2dx=31
項の個数が n とともに増える和は、そのままでは項ごとに極限をとれません。定積分に読みかえると計算できます。
短冊に切って足す
区間 [0,1] を n 等分します。1 つぶんの幅は n1、k 番目の右端は nk です[1]。
その点での高さを f(nk) とすると、短冊 1 枚の面積は n1f(nk)。
全部足したものがリーマン和です[1][4]。n を増やすと短冊が細くなり、曲線との隙間が消えていきます。
公式の形
f が連続なら、リーマン和の極限は定積分に一致します[2]。
n→∞limn1k=1∑nf(nk)=∫01f(x)dx
k を 1 から n まで動かせば右端をとった和になり、0 から n−1 まで動かせば左端をとった和になります[1]。
どちらも極限は同じ値になります。端が 1 つずれるぶんの差は n1 の大きさしかないためです。
読みかえの手順
式を見たら、n1 を dx に、nk を x に置きかえます。k の動く範囲が積分区間になる。
n1 が表に出ていない形も多い。まず n1 を 1 つくくり出します。
canvas: 式は呼び出しにそのまま書いてください。この引数は焼けません -> drawMath(… swapItem[index][0] …)
例:1 次の場合
n→∞limn21(1+2+⋯+n) を求めます。n1 をくくり出すと形が見えます。
n21k=1∑nk=n1k=1∑nnk→∫01xdx=21
この例は和の公式でも解けます。2n2n(n+1)=2nn+1→21 で一致しました。
例:分母に n+k が来る形
n→∞lim(n+11+n+21+⋯+2n1) を求めます。和の公式は使えません。
分母を n でくくると n(1+nk)1 になり、n1 が出てきます。
n1k=1∑n1+nk1→∫011+xdx=log2
log2=0.6931 です。n=1000 で和を計算すると 0.6929 になります。
例:円が出てくる形
n→∞limk=1∑nn2+k2n を求めます。分母を n2 でくくります。
k=1∑nn2+k2n=n1k=1∑n1+(nk)21→∫011+x2dx=4π
4π=0.7854 です。有理数の和の極限に π が現れます。
例:根号を含む形
n→∞limnn1+2+⋯+n を求めます。分母を n⋅n と見て分けます。
n1k=1∑nnk→∫01xdx=[32x23]01=32
n をどう配るかで見え方が変わります。nk=nk と直すのが型。
例:三角関数を含む形
n→∞limn1(sinnπ+sinn2π+⋯+sinnnπ) を求めます。
n1k=1∑nsinnkπ→∫01sinπxdx=[−πcosπx]01=π2
π2=0.6366 です。π が中に入っていても、nk の形さえ作れば同じ手順で進みます。
うまくいかないときは、n1 をくくり出せていないことがほとんどです。
n21 や nn1 の形で隠れている。まず 1 つだけ外へ出す。
例:対数と階乗
n→∞limn1k=1∑nlog(1+nk) を求めます。
∫01log(1+x)dx=[(1+x)log(1+x)−(1+x)]01=2log2−1
この結果は階乗の極限に化けます。左辺は n1logk=1∏nnn+k と書けるためです。
積を書き直すと n!nn(2n)! になり、次が得られます。
n→∞lim(n!nn(2n)!)n1=e2log2−1=e4
e4=1.4715。和の極限を対数の外へ戻すと、積の極限が出てきます。
区間が [0,1] でないとき
k の動く範囲を変えると、積分区間も変わります。k が 1 から 2n まで動けば区間は [0,2] です。
n→∞limn1k=1∑2nf(nk)=∫02f(x)dx
区間 [a,b] を n 等分するなら、幅は nb−a、k 番目の点は a+n(b−a)k です[2]。
n→∞limnb−ak=1∑nf(a+n(b−a)k)=∫abf(x)dx
高校の問題では [0,1] に直してから使うほうが速い。nk の形が出るように、先に式を整えます。
どんな関数でも使えるのか
連続な関数は必ず積分できます[2]。高校で出てくる関数はこの条件を満たすので、手順どおりに進めて問題ありません。
ドイツ語の講義資料では、そうでない例としてディリクレ関数が挙げられています[3]。有理数で 1、無理数で 0 をとる関数です。
どんなに細かく分けても、各区間には有理数も無理数もあります。代表点の選び方しだいで和が 1 にも 0 にもなり、値が定まらない[3]。
定義そのものは等分を要求しません。分割の中でいちばん広い区間の幅を 0 に近づける、という形で書きます[3][4]。
高校で使う形
区間を n 等分し、右端を代表点にとる。n1 と nk の 2 つだけを見る
一般の定義
分割は不等間隔でよく、代表点も自由。いちばん広い区間の幅を 0 に近づける
どちらで書いても、連続な関数なら同じ値に行き着きます。
n→∞limk=1∑nn+2k1 はいくつですか。
__RESULT__
分母を n でくくると n1∑1+2⋅nk1 になり、∫011+2xdx=21log3 です。log3 は 21 を落とした値、log2 は分母を n+k と読み違えた値になります。
区間の読み方も確かめます。
n→∞limn1k=1∑3nnk はいくつですか。
__RESULT__
k が 3n まで動くので nk は 0 から 3 まで動きます。∫03xdx=29 です。21 は区間を [0,1] と読んだ誤り、3 は区間の長さそのものになります。
項の個数が増える和は、短冊の面積の和だと思えば片づきます。n1 を見つけることが、そのまま解き始めの合図になる。
参考文献
*Approximating Areas*. Calculus Volume 1, OpenStax. *The Definite Integral*. Calculus Volume 1, OpenStax. Guofang Wang. *Integralrechnung*. Analysis, Universität Freiburg. Riemann Sum. Wolfram MathWorld.
$\left(\frac{1}{n}\right)^{2}$ から $\left(\frac{n}{n}\right)^{2}$ までを足して $n$ で割ると、$n = 1000$ で $0.333834$。行き先は $\int_0^1 x^{2}dx = \frac{1}{3}$ です。項の個数が増える和は、幅 $\frac{1}{n}$ の短冊の面積として読みかえる。$\frac{1}{n}$ を $dx$ に、$\frac{k}{n}$ を $x$ に置きかえ、$k$ の範囲を積分区間にするだけです。$\sum\frac{1}{n+k}$、$\sum\frac{n}{n^{2}+k^{2}}$、$\frac{1}{n}\sum\sin\frac{k\pi}{n}$ など 7 通り並べました。
分母を n でくくると n1∑1+2⋅nk1 になり、∫011+2xdx=21log3 です。log3 は 21 を落とした値、log2 は分母を n+k と読み違えた値になります。