左から来るか右から来るかで値が変わる - 片側極限と連続の判定
に を入れると 、 なら です。 にどんなに近づけても、この 2 つの値は縮まりません。
近づく向きを分けて書きます。左からなら 、右からなら 。
これを片側極限といいます[1]。値が食い違うので、 の極限は存在しません。
左からと右から
の範囲だけで を に近づけたときの行き先が左側極限です[1]。 だけで近づければ右側極限になります。
記号は と 。 のときは 、 とも書きます。

両側がそろえば極限になる
左右の片側極限が両方存在し、しかも同じ値なら、そのときに限って の極限が存在します[1]。
を で見ると、左から近づいても右から近づいても に着きます。だから 。
グラフがつながっている関数では、この一致がどの点でも起こります。逆に、切れている点では左右が割れる。
数列の極限には片側という区別がありません。 は と一方向にしか進まないためです。
連続の定義
関数が点 で連続であるとは、次の 3 つが同時に成り立つことをいいます[2]。
2 つ目は左右の一致を要求しています。3 つ目は、行き先と実際の値がずれていないことを要求している。
どれか 1 つでも欠けると、その点で不連続になります。
例:ガウス記号
は を超えない最大の整数です。、。
の近くで見ると、左から近づけば値は 、右から近づけば です。
なので、右側極限だけが関数値と一致します。この状態を右側連続と呼びます[2][4]。
郵便料金や税率の表は、この形の関数になっています。境目でいくらになるかは、どちら側に含めるかの約束で決まる。
不連続の 3 つの型
不連続にも種類があります。片側極限の様子で分類できます[2]。
| 型 | 片側極限の様子 |
|---|---|
| 除去可能 | 左右とも同じ値。 だけがずれている |
| 跳び | 左右とも有限だが値が違う |
| 無限 | どちらかが に飛ぶ |
除去可能なものは、 を極限の値に置きかえるだけで連続になります。跳びと無限はそうはいきません。
ロシアの伝統的な教科書では別の分け方をします。左右とも有限の値を持つものを第 1 種、そうでないものを第 2 種と呼びます[3]。
第 1 種のうち、跳びの幅 が のものが除去可能な点にあたります[3]。

例:分母が になる点
を で見ると、左からは 、右からは です。
片側極限のどちらかが になるとき、直線 は垂直漸近線と呼ばれます[1]。
なら左右とも で、こちらは と書けます。
例:片側極限すら存在しない
を の近くで見ます。 が小さくなるほど が速く動き、値が と のあいだを何度も往復する。
右から近づけても、どの値にも落ち着きません。片側極限が存在しないので、第 2 種の不連続点になります[3]。

例:区間の端
は でしか定義されません。 では左から近づけないので、右側極限だけを考えます。
なので、 で右側連続です[4]。
定義域の端では、はじめから片側しかない。連続かどうかも片側で判定します。
例:連続になる係数を決める
が で連続になる を求めます。
左側極限は 、右側極限は 、関数値は です。
3 つが一致する条件は で、。境目の両側から同じ高さへ着地させる、という要求になっています。
場合分けの関数では、境目の値をどちらの式で決めるかが先に書いてあります。
側に等号が付いていれば 。等号の位置が答えを変える。
微分でも左右を見る
は で連続です。左からも右からも に着き、値も になる。
ところが傾きは一致しません。左側からの平均変化率は 、右側からは です。
左右で違うので微分係数が存在しない。連続でも微分できない点がある、という例になります。
関数の値そのものを左右から見る。 は一致するので連続
傾きを左右から見る。 は と で割れるので微分できない
中間値の定理は連続が前提
閉区間で連続な関数は、両端の値のあいだのどの値も途中で必ずとります[2]。
を で見ると、、 なのに、値が になる点はありません。
で切れているためです。跳びや無限の不連続点が 1 つあるだけで、この定理は使えなくなります。
の での様子として正しいものはどれですか。
- 左側極限が 、右側極限が で跳びの不連続点
- 左右の極限が一致するので連続
- 右側極限が存在しない
分類も確かめます。
の での不連続はどの型ですか。
- 跳び
- 除去可能
- 無限
約分すると になり、左右とも に向かいます。 が定まっていないだけなので、 と決めれば連続になります。左右の値が違えば跳び、 に飛べば無限です。
左から見た値と右から見た値、それに実際の値。この 3 つを並べれば、その点で何が起きているかが決まります。















左からは 2+3=5、右からは 22=4 です。どちらも有限ですが値が違うので、跳びの不連続点になります。f(2)=4 なので右側連続です。