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置きかえて解いてよいのはどんなとき?合成関数の極限と連続性

と置いて とやる。この置きかえは、いつでも正しいわけではありません。

次の 2 つを用意します。 のとき のとき はどの でも をとる定数関数です。

で、。置きかえれば答えは に見えます。

ところが なので、実際の極限は です。置きかえが答えを変えてしまいました。

いつなら置きかえてよいか

正しい形は次のものです。 で、 で連続なら成り立ちます[1]

要になるのは の連続性です。連続とは、 が定まっていて、しかもまわりの値の行き先と一致することでした。

canvas: 式は呼び出しにそのまま書いてください。この引数は焼けません -> drawMath(… chainLabel[index] …)

反例のどこが壊れているか

冒頭の で連続ではありません。まわりの値は に向かうのに、 だけが になっています。

置きかえの計算は「 に近い値をとるから、 の近くでの様子を見ればよい」と考えています。

しかし の近くではなく そのものをとり続ける。 でだけ違う値を持つので、そこだけを拾ってしまいました。

もう 1 つの逃げ道

が連続でなくても、 の近くで が成り立てば置きかえは通ります。

そのものを避けていれば、 での値を拾わずに済むためです。冒頭の反例は、 をとり続けていた点が原因でした。

高校の問題では のように、 なら となる形がほとんどです。だから安心して置きかえられます。

置きかえが安全なのは、 が連続であるか、 が行き先の値を避けているかのどちらかです。

どちらも成り立たないときだけ、答えが食い違う。定数関数を内側に置いたときがその典型になる。

例:内側が定数でない反例

とします。 ですが、 となる の近くに無限個あります。

、つまり のときがそれです。そこでは

ほかの点では なので、 を往復します。極限は存在しません。

内側が定数でなくても、行き先の値を無限回とるだけで崩れます。

例:正しい置きかえ

を求めます。 と置くと

なら なので、内側が行き先の値を避けています。安全な置きかえです。

例:指数の形

でも同じ手が使えます。 と置きます。

外側の は連続なので、内側の極限 を先に求めてから 3 乗できます[1]

例:近づく先が でない場合

では と置きます。 です。

なので、式は になり、極限は

なら なので、こちらも安全です。置きかえの前に、この確認をひとこと書いておくと安心できます。

数列に流すとき

数列でも同じ話になります。 で連続なら です[2][4]

が、この形で片づきます。

数列の場合、項が に等しくても困りません。 で連続なら、その値も だからです[4]

連続関数の合成は連続

で連続で、 で連続なら、 で連続です[1]

多項式、三角関数、指数関数、対数関数はそれぞれの定義域で連続なので、これらを組み合わせた関数も連続になります。

はどれも全体で連続です。極限は代入で求まります[3]

手順にすると

内側の極限 を求める。
外側が で連続かを確かめる。
連続でなければ、内側が を避けているかを確かめる。
どちらかが成り立てば、置きかえて計算する。

高校の問題では 2 番目か 3 番目のどちらかがほぼ自動的に成り立ちます。それでも、なぜ置きかえてよいかを 1 度は追っておくと、崩れる形に出会ったときに気づけます。

安全な置きかえ

など。 が近づく先を外せば も外れる

危ない置きかえ

内側が行き先の値を何度もとる形。定数関数や が該当する

のとき、 を保証する条件はどれですか。

  • で連続であること
  • で連続であること
  • で連続であること
__RESULT__

外側の を当てるのは内側の行き先 の位置なので、そこでの連続性が要ります。 で連続でも、 は別の点なので関係しません。 の連続性は を言うだけです。

置きかえの例も確かめます。

と置いて求めるといくつですか。

__RESULT__

なので式は になり、 です。 の対応を忘れた値、 は係数を半端に処理した値になります。

置きかえは、外側が内側の行き先で連続なら通ります。連続でない関数を外側に置く場面はまれですが、その 1 例を知っていると、どこに条件が効いているかが見えます。

参考文献

*Continuity*. Calculus Volume 1, OpenStax.
Oliver Deiser. *Nachweis der Stetigkeit*. Einführung in die Mathematik 1.2.
David Guichard. *Computing limits*. Whitman College.
Folgenkriterium für Stetigkeit. Lexikon der Mathematik, Spektrum.
$y \neq 0$ で $0$、$y = 0$ で $1$ をとる $f$ と、つねに $0$ をとる $g$ を組み合わせると、置きかえた答えは $0$、本当の答えは $1$ になります。$\lim f(g(x)) = f(\lim g(x))$ が通るのは、外側が内側の行き先で連続なとき。連続でなくても、内側がその値を避けていれば通ります。$t = 3x$ や $t = x-\pi$ が安全な理由、$x\sin\frac{1}{x}$ を内側に置くと崩れる例、連続関数どうしの合成が連続になること、数列への流し方まで並べました。