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English

どんなべき乗にも追いつけない(対数関数の極限と log x / x の行き先)

。真数を 1 億倍にしても、値は 台にしかなりません。

それでも上限はなく、 です[3]。増え続けるが、増え方がとにかく遅い。

この遅さは比をとると見えます。 で割ると に潰れる。

どんなべき乗にも負ける

で割った場合だけではありません。 のような小さい指数で割っても になります[1][2]

理由は指数関数の側から見ると分かります。 はどんな多項式より速く伸びるので、その逆関数である はどんな累乗根より遅い[1]

例:数値で確かめる

の値を並べます。

でも同じです。。遅いだけで、行き先は変わりません。

数列でも同様で、 が成り立ちます。

に近づく側

では です[3]。真数が小さいほど、値は下へ落ちていく。

ところが を掛けると打ち消し合います。 に向かうものと に向かうものの積で、不定形の 型です。

と置くと になり、 での先ほどの結果に戻ります。

の縮み方が勝ちます。

例: の行き先

を求めます。底も指数も に向かうので の形です[2]

対数をとると積に直せます[2] として

右辺は に向かうので 、つまり です。

。たしかに へ上がっていきます。

指数の形の不定形は、対数をとって積や商の形に直してから極限をとります[2]

の 3 つが対象。最後に指数関数に戻すのを忘れない。

例:真数が に近づくとき

が成り立ちます[1] なので の形。

と書き直すと、中身が に向かうので値は です。

での も同じ極限になります。 と置けば上の形に戻る。

の近くでは とほぼ等しくなります。

例:底が でないとき

底が の対数は、底の変換公式で自然対数の定数倍になります。

で、結論は変わりません。

底が より小さいと なので符号が逆になります。 です。

例:対数の差

の形です。

対数の性質で 1 つにまとめます。

。差をとる前は両方とも発散していますが、中身の比は に落ち着きます。

例:対数どうしの比

を求めます。両方とも ですが、比は決まります。

と分けます。

でくくると、真数の次数の比だけが残る。 の中身の定数項は効きません。

はどんな正のべき乗にも負ける。
では を掛ければ打ち消せる。
指数の形は対数をとって積に直す。
底が違っても定数倍の差しかない。
対数の差は真数の比に直す。

増える速さの順番

での伸び方には、はっきりした順序があります[2]

対数がいちばん遅く、次が多項式、指数関数がいちばん速い[2]。どの隣どうしでも比が に向かいます。

分母に置いたとき

に向かう

分子に置いたとき

に発散する

底が 10 だった時代

対数はネイピアが 1614 年の著作で発表しました[4]。もとの定義は 2 点の運動から作られていて、 になっていません[4]

ブリッグスが底を 10 にして とする表を提案し、ネイピアも同意しました[4]。計算の道具としては、底 10 のほうが桁と直結して便利です。

微分すると余計な定数が出ない底は です。極限を扱うときは底を にそろえてから進めます。

はいくつですか。

__RESULT__

と置くと で、式は になります。指数関数は多項式より速いので です。対数を 2 乗しても、べき乗には追いつけません。

に近づく側も確かめます。

はいくつですか。

__RESULT__

をもう 1 つ掛けた形なので です。 へ向かいますが、 の縮み方のほうが速い。 の最小値ととり違えた値になります。

対数は、増えるほうでも減るほうでも相手に負けます。 のべき乗を 1 つ掛けるか割るかすれば、ほとんどの形は片づきます。

参考文献

Oliver Deiser. *Der natürliche Logarithmus*. Erste Hilfe in Analysis.
*L'Hôpital's Rule*. Calculus Volume 1, OpenStax.
Logarithmic function. Encyclopedia of Mathematics.
John Napier. MacTutor History of Mathematics Archive, University of St Andrews.
$\log 10^{9}$ でも $20.72$。真数を 1 億倍にしても値は $20$ 台にしかなりません。それでも上限はなく、$x$ で割ると $0$ に潰れる。$p$ をどれだけ小さくしても $\frac{\log x}{x^{p}} \to 0$ です。$x \to +0$ 側では $x\log x \to 0$ で、$\frac{1}{e}$ で最小値をとってから $0$ へ戻ります。対数をとって $x^{x} \to 1$ を出す手、$\frac{\log(1+x)}{x} \to 1$、$\log(x+1)-\log x$ の差、$\frac{\log(x^{2}+1)}{\log(x^{3}+1)} \to \frac{2}{3}$、底が 10 だった時代の話まで。