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等加速度直線運動:v-t グラフの面積と 3 つの公式の使い分け

等加速度直線運動の式は 本あります。覚えて当てはめる人が多いところですが、- グラフを 枚描けば全部その場で作れる。

必要なのは つの読み方だけです。傾きが加速度、面積が変位[1]。

位置と速度と加速度のつながり

速度は位置の変化する速さ、加速度は速度の変化する速さです。どちらも「 秒あたりにどれだけ変わるか」を表している。

グラフでは、この関係が傾きになります[1]。

- グラフの傾きが、その時刻の速度です。
- グラフの傾きが、その時刻の加速度です。
- グラフの面積が、その区間の変位です。
- グラフの面積が、その区間の速度変化です。

上の つが微分、下の つが積分にあたります。高校では面積として扱いますが、やっていることは同じ。

3 つのグラフを縦に並べる

加速度が一定のとき、- グラフは水平な直線です。その面積が時間に比例して増えるので、- グラフは傾いた直線になる[4]。

- グラフの面積は時間の 乗で増えます。だから - グラフは放物線になる[2]。

傾きの読み方から 1 本目が出る

加速度は - グラフの傾きです。一定なら、直線の式そのままになる。

は での切片。この式は「毎秒 ずつ速さが増える」と言っているだけです[3]。

面積の読み方から 2 本目が出る

- グラフの下にできる図形は台形です。上底 、下底 、高さ 。

長方形と三角形に分けて足すと、次のようになる[3]。

長方形が 、三角形が です。図形の面積を出しているだけで、新しいことは何もしていない。

台形のまま計算する形もあります。こちらのほうが速いことが多い[3]。

は平均の速さ。等加速度なら、速さの平均は始めと終わりの平均でよい。

時間を消すと 3 本目が出る

本目を と直し、台形の式へ入れます。

整理すると、時間の入らない形になる[3]。

時間が問われていない問題では、これがいちばん短い道になります。

例:5 秒後の速さと距離

初速 、加速度 で 秒進む場合を出します。

距離は台形の面積で計算する。平均の速さは です。

本目でも確かめられます。 で、。一致しました。

例:ブレーキで止まるまでの距離

で走る車が、 の加速度で減速します。止まるまでの時間から出す。

平均の速さは なので、距離は になります。

速さが 倍の なら、 本目から距離は 倍の 。制動距離が速さの 乗で伸びるのは、この式が示しているとおりです。

変位と道のりは別の量

- グラフが時間軸より下に来ると、面積は負として数えます。行って戻る運動では、この打ち消しが起きる。

真上へ で投げ上げ、 秒後を見ます。上向きを正、 としました。

変位は です。手もとへ戻ってきたので、位置は変わっていない。

道のりのほうは違います。最高点は なので、往復して 動いた。

変位

向きを含めた位置の変化。- グラフの面積を符号つきで足す

道のり

実際に動いた長さ。- グラフの面積を、符号を無視して足す

問題文が「変位」なのか「動いた距離」なのかで答えが変わります。折り返す運動では必ず確かめる。

グラフの傾きを求めるとき、 点を結んだ直線の傾きは平均の速度になります。 点での傾きが瞬間の速度。

区間の変位を、かかった時間で割った値。曲線では区間のとり方で変わるので、瞬間の速度とは別の量になる。

グラフから読みとる

グラフだけを渡されて変位を聞かれる問題は、面積を符号つきで足せば片づきます。軸を横切る点を先に見つけておくと速い。

- グラフが、 で から始まり、 で になる直線でした。この 秒間の変位はいくらですか。

__RESULT__

グラフは で を横切ります。それまでの面積は 、そのあとは軸の下なので を引く。差し引き です。符号を無視して足すと になりますが、それは道のりのほう。

つまずきやすいところ

- グラフの高さを速度と読むと外します。速度にあたるのは傾きのほう。
- グラフの高さを変位と読むのも同じ誤り。変位は面積で読みます。
- グラフが右下がりなら後退している、と決めてかかると外れる。減速しているだけのこともある。
加速度が なら止まっていると考えると合いません。速さが変わらないだけで、動いてはいる。

参考

Position, velocity and acceleration graphs - Boston University, Physics 211
Gleichmäßig beschleunigte Bewegungen - Physikunterricht-Online
Démonstrations des formules du MRUA - Alloprof
v-t-Diagramm - Maschinenbau-Wissen
等加速度直線運動の $3$ 本の式は、$v$-$t$ グラフを $1$ 枚描けばその場で作れます。傾きが加速度なので $v = v_0 + at$、台形の面積が変位なので $x = (v_0+v)t/2$、この $2$ 本から $t$ を消すと $v^2 - v_0^2 = 2ax$ が出る。初速 $4.0\ \mathrm{m/s}$ で $2.0\ \mathrm{m/s^2}$ なら $5$ 秒で $45\ \mathrm{m}$ 進み、時速 $72\ \mathrm{km}$ からの制動距離は $50\ \mathrm{m}$ になります。軸の下の面積を引けば変位、引かずに足せば道のり。