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English

三角不等式は単位円のどこを塗るか?向きが変わる場所

の答えは、点ではなく区間です。 なら

方程式の解が境目になり、そのあいだが答えになります。境目を出したら、次はどちら側かを決める。

単位円で見ると、答えは円周の一部の弧です。塗られた弧に対応する角の範囲を読む[1]

境目は等号の解

まず を解きます。

この 2 点が円周を 2 つの弧に分けます。上側の弧と下側の弧です。

は縦の座標なので、 より大きいのは上側。 の横線より上の部分です。

上側の弧は から までなので、答えは

不等号に等号が付いていないので、境目そのものは含みません。 なら両端も入ります。

例:cosθ ≤ -1/2

とします。 は横の座標なので、今度は縦線で切ります。

境目は の解、つまり

の縦線より左側が の部分です。

左側の弧は から 。等号が付いているので両端も含めます。

は横線、 は縦線。どちらで切るかを最初に決めると、あとは弧を読むだけです。

tan の不等式は漸近線で切れる

で解きます。 は周期 なので区間が 2 つ出ます。

境目は の解で

は各区間で増え続け、 の手前で限りなく大きくなります。

だから から の手前までが答えの 1 つ目。 自体は が定義されず、含みません。

を越えると は大きな負の値に飛びます[2]。連続していないので、区間をまたげません。

2θ が入るときも範囲を伸ばす

で解きます。

まず と範囲を伸ばします。 周ぶんになりました。

となるのは 、およびそこに を足した区間。

の 2 つが範囲に入ります。

で割って

区間が 2 つに増えました。範囲を伸ばさないと、後ろの区間がまるごと消えます。

θ の範囲を 2 倍に伸ばす

2θ について不等式を解き、区間をすべて拾う

最後に 2 で割って θ の区間に戻す

2 次不等式になる形

で解きます。

因数分解すると

ここで はつねに 以下です。 の最大が なので、正になりません。

積が負になるには、 が負で が正である必要があります。

ということ。 です。

を解くと または

ここから を除きます。答えは

因子の一方が符号を変えられない形では、こうした穴あきの答えになります。

のように、片方の因子が符号を変えない ときは場合分けが減ります。

そのかわり、等号になる 1 点が答えから抜ける。 を除き忘れる誤りが起きやすい形です。

合成してから解く

で解きます。

合成すると 、つまり

範囲を動かします。

です。範囲の左端がちょうど なので、そこは含みません。

を引くと

検算します。 なら なら で、等号なので範囲の外。

まちがえやすい点

不等号の向きを、境目の角の大小と混同する誤りが多い。 の答えが とは限りません。

を過ぎると減るので、大きい角ほど値が大きいわけではない。弧で考えれば迷いません。

の答えが 2 つの区間に分かれることも見落としやすい。 をまたぐためです。

なら の 2 つ。

両辺を で割る操作も危険です。 の符号が分からないので、不等号の向きが決まりません。

の解はどれですか。

__RESULT__

境目は の解で です。 の横線より下側の弧が答えなので、 になります。円の下半分の中央あたりの弧です。

の場合も確かめます。

の解はどれですか。

__RESULT__

境目は です。 の縦線より右側の弧が答えで、その弧は をまたぎます。 という範囲では、 つに分けて書くことになります。

境目を出し、弧のどちら側かを決め、置きかえたら範囲も置きかえる。三角不等式はこの順で解けます。

参考文献

Solving Trigonometric Equations. Algebra and Trigonometry 2e, OpenStax(単位円で解を拾い、周期ぶんを足す考え方).
É. Bouchet. Trigonométrie, Cours de PCSI, 1.3 と Proposition 2.2(単位円で解を読む手順と の漸近線).
$\sin\theta > \dfrac{1}{2}$ の答えは点ではなく弧です。等号の解が境目になり、$\sin$ なら横線、$\cos$ なら縦線で円を切って、どちら側かを読む。$\sin\theta > k$ の答えが $\theta > \alpha$ にならないのは、$\dfrac{\pi}{2}$ を過ぎると値が減るからです。$\tan$ の不等式が漸近線でちぎれて区間をまたげない理由、$\cos\theta > \dfrac{1}{2}$ が $0$ をまたいで 2 区間に分かれる形、$(2\sin\theta+1)(\sin\theta-1) < 0$ で $\theta = \dfrac{\pi}{2}$ だけが穴になる場合まで。