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English

180 度が π になるところから始める度とラジアンの変換

です。この 1 行だけで、度とラジアンは往復できます。

度をラジアンに直すなら をかける。ラジアンを度に直すなら をかける。

かける数は互いに逆数。どちらをかけるか迷ったら、 を入れて になるほうを選びます[1]

1 ラジアンは弧の長さが半径と同じになる角

ラジアンは、円の弧の長さで角を測る単位です。半径と同じ長さの弧を切りとる中心角が ラジアン[1]

半径 の円で、中心角 ラジアンが切りとる弧の長さは になる。

一周では弧が円周そのもの、つまり に入れると

一周が でもあるので 、両辺を半分にして になります。

ラジアンを度に直すと 。半端な数ですが、これは度のほうが人工的だからです。

例:度からラジアンへ

を直します。 をかけるだけ。

を先に と約分すると、計算が軽くなる。

なら なので

なら

コツはかけ算より約分にあります。 を約分してから をつける、という順で計算する。

三角関数の値を求める前に、まず角をラジアンへ直しておく手順が標準です[2]

例:ラジアンから度へ

を度に直します。 をかける。

が約分で消えるところが肝心。答えは

を含まないラジアンでも同じ。 ラジアンなら

この場合は が消えないので、割りきれない値になる。 がついた形のほうが例外的にきれい。

よく使う角の対応

刻みと 刻みは、暗記より の約分で作るほうが確実です。

から先は、 を足すか から引くかで作れます。

なので

なので

分母が のどれかになる角が、高校で扱う角のほとんどを占めます。

単位の rad は書かなくてよい

ラジアンには単位記号 rad がありますが、数学ではふつう省きます。

と書けば、中身はラジアンだと分かる。度なら と度の記号をつける。

つまり記号のついていない角はラジアン、 がついていれば度、という読み分けです。

省けるのは、ラジアンが長さの比だからです。弧の長さを半径で割った値なので、単位が打ち消し合う。

長さ ÷ 長さ なので、単位を持ちません。

メートルで測ってもセンチメートルで測っても同じ値になります。だから rad は省いてよい記号です。

弧の長さと扇形の面積が軽くなる

度のままだと、弧の長さは と書くしかありません。

ラジアンなら 。かけ算 1 つで済みます[1]

扇形の面積も同じ。度では ですが、ラジアンでは次の形になります。

半径 、中心角 の扇形なら、弧は 、面積は

という数がどこにも現れない。これがラジアンを使う実利です。

電卓のモードを合わせる

関数電卓には DEG と RAD の切り替えがあります。ここがずれていると、答えが丸ごと狂う。

RAD のまま と打つと、 ラジアンの正弦として が返ります。 ではありません。

ラジアンはおよそ 。何周も回った先の角なので、値が合わないのは当然。

数学Ⅱ 以降の計算はラジアンが標準になります。表示が DEG のままになっていないかを最初に見る。

まちがえやすい点

かける分数を逆にする誤りが最も多い。 は逆数なので、答えが 倍ずれます。

を直すつもりで と計算すると になる。桁を見れば異常だと気づけます。

もう一つは、 に置き換えたあと を残してしまう形。 であって ではない。

角度の記号にも気をつけます。 をつけると、 度という別物になる。

をラジアンで表すとどれですか。

__RESULT__

を約分します。 で割ると になるので、答えは です。 なので、 と足しても同じ値になります。

逆向きも確かめます。

半径 、中心角 の扇形の弧の長さはどれですか。

__RESULT__

を入れます。 です。度に直して と計算しても同じ になりますが、手数が増えます。

を軸に、約分で往復する。

参考文献

Angles. Algebra and Trigonometry 2e, OpenStax(ラジアンの定義、、扇形の面積).
S. Ober-Blöbaum. Trigonometrische und hyperbolische Funktionen, Mathematik für Chemiker, Universität Paderborn(度からラジアンへの換算).
度をラジアンにするなら $\dfrac{\pi}{180}$ を掛け、ラジアンを度にするなら $\dfrac{180}{\pi}$ を掛けます。掛ける数は互いに逆数なので、迷ったら $180^\circ$ を入れて $\pi$ が出るほうを選ぶ。実際の計算では掛け算より約分が主役で、$\dfrac{225}{180}$ を $\dfrac{5}{4}$ にしてから $\pi$ を付けます。半径と同じ長さの弧を切りとる角が $1$ ラジアン、およそ $57.3^\circ$。弧の長さが $s = r\theta$、扇形の面積が $\dfrac{1}{2}r^2\theta$ と軽くなる理由と、rad を省いてよい理由まで。