sinθ+3cosθ を、係数の 2 乗和の平方根 12+(3)2=2 でくくります。
sinθ+3cosθ=2(21sinθ+23cosθ)
かっこの中の 21 は cos3π、23 は sin3π。そのまま書きかえます。
2(21sinθ+23cosθ)=2(sinθcos3π+cosθsin3π)=2sin(θ+3π)
1 行目のかっこが加法定理の右辺そのもの。これを合成といいます。
残った 2 つを cos α と sin α として読む
例 1:sinθ+cosθ
r=12+12=2 でくくります。
sinθ+cosθ=2(21sinθ+21cosθ)
21 は cos4π でも sin4π でもある。
2(21sinθ+21cosθ)=2(sinθcos4π+cosθsin4π)=2sin(θ+4π)
θ=0 を入れると両辺とも 1 になります。
例 2:3sinθ−cosθ
cos の係数を −1 と読みます。r=3+1=2。
3sinθ−cosθ=2(23sinθ−21cosθ)
23=cos(−6π)、−21=sin(−6π) です。
2(23sinθ−21cosθ)=2(sinθcos(−6π)+cosθsin(−6π))=2sin(θ−6π)
θ=0 で両辺とも −1。
例 3:−sinθ+3cosθ
r=1+3=2 でくくります。
−sinθ+3cosθ=2(−21sinθ+23cosθ)
−21=cos32π、23=sin32π。両方を満たす角は 32π しかありません。
2(−21sinθ+23cosθ)=2(sinθcos32π+cosθsin32π)=2sin(θ+32π)
tanα=−3 だけを見ると −3π も候補になります。−3π を入れると cos(−3π)=21 で、必要な −21 と符号が違う。
θ=0 で確かめると、左辺は 3、右辺は 2sin32π=3。
| sinθ+cosθ | r=2、α=4π |
| 3sinθ−cosθ | r=2、α=−6π |
| −sinθ+3cosθ | r=2、α=32π |
| cosθ−sinθ | r=2、α=43π |
| sinθ+3cosθ | r=2、α=3π |
例 4:cosθ−sinθ
並べ替えて −sinθ+cosθ。a=−1、b=1 です。
cosθ−sinθ=2(−21sinθ+21cosθ)
−21=cos43π、21=sin43π。
2(−21sinθ+21cosθ)=2(sinθcos43π+cosθsin43π)=2sin(θ+43π)
sin の係数が a、cos の係数が b。並べ替えずに使うと α が別の角になる。
例 5:3sinθ+4cosθ
r=9+16=5。cosα=53、sinα=54 を満たす角は有名角にありません。
3sinθ+4cosθ=5(53sinθ+54cosθ)=5(sinθcosα+cosθsinα)=5sin(θ+α)
α の値を書かずに進む。振れ幅を決めているのは r のほうです。
例 6:0≤θ<2π で sinθ+3cosθ の最大値と最小値
合成すると 2sin(θ+3π)。中身の動く範囲を計算します。
3π≤θ+3π<37π
幅が 2π あるので sin は −1 から 1 まで全部とる。最大値は 2 で θ=6π、最小値は −2 で θ=67π。
θ=6π をもとの式に入れます。
sin6π+3cos6π=21+3×23=21+23=2
例 7:0≤θ≤2π で sinθ−cosθ の最大値と最小値
a=1、b=−1 で r=2。21=cos(−4π)、−21=sin(−4π) なので α=−4π。
sinθ−cosθ=2(21sinθ−21cosθ)=2(sinθcos(−4π)+cosθsin(−4π))=2sin(θ−4π)
中身の動く範囲は次のとおり。
−4π≤θ−4π≤4π
幅が 2π しかないので、sin は −21 から 21 までしか動きません。最大値は 1 で θ=2π、最小値は −1 で θ=0。
範囲がついていないとき
sin は −1 から 1 まで全部とる。最大が r、最小が −r
範囲がついているとき
θ+α の動く幅を先に計算する。r に届かないことがある
3sinθ+cosθ を合成した式はどれですか。
- 2sin(θ+6π)
- 2sin(θ+3π)
- 2sin(θ+6π)
__RESULT__
r=3+1=2 でくくると cosα=23、sinα=21 になり、α=6π です。3π を選ぶと cosα と sinα をとり違えた形になります。
例 8:0≤θ<2π で sinθ+3cosθ=1 を解く
左辺を合成してから両辺を 2 で割ります。
2sin(θ+3π)sin(θ+3π)=1=21
中身の範囲は例 6 と同じ。この範囲で sin が 21 になるのは 65π と 613π の 2 つで、6π は範囲の外にあります。
θθ=65π−3π=2π=613π−3π=611π
θ=2π なら 1+3×0=1、θ=611π なら −21+23=1。
5sinθ−12cosθ の最大値はどれですか。
__RESULT__
r=52+(−12)2=169=13 です。合成すると 13sin(θ+α) になり、sin の最大が 1 なので最大値は 13 になります。17 は 5+12 をそのまま足した値で、sin と cos が同時に最大にならないことを見落とした形。
係数の 2 乗和の平方根でくくり、残った 2 つを cosα と sinα として読む。範囲がついているときは、θ+α の動く幅を先に計算します。
$\sin\theta + \sqrt{3}\cos\theta$ は $2\sin\left(\theta + \dfrac{\pi}{3}\right)$ と同じもの。形の違う波を足しても、出てくるのはやはり 1 つの波です。中身は加法定理を逆向きに読んだだけ。振幅 $r = \sqrt{a^2+b^2}$ は三平方の定理から出て、位相 $\varphi$ は点 $(a,b)$ の角として決まります。$\tan\varphi$ だけで決めると $180^\circ$ ずれた角を拾うので、$\cos$ と $\sin$ の符号を両方見る。$3\sin\theta+4\cos\theta$ のように $\varphi$ が有名角にならない場合の書き方と、最大最小への使い方まで。
r=3+1=2 でくくると cosα=23、sinα=21 になり、α=6π です。3π を選ぶと cosα と sinα をとり違えた形になります。