∫x2exdx に部分積分を 1 回当てても、∫xexdx が残る。まだ積分が残っているが、x の次数は 2 から 1 へ下がった。
もう 1 回当てれば ∫exdx になり、そこで終わる。多項式の次数の数だけ繰り返せば、必ず片づく[1]。
∫x2exdx=(x2−2x+2)ex+C
繰り返すたびに次数が 1 ずつ落ちる。この落ち方が見えていれば、何回で終わるかが最初から分かる。
次数が落ちていく
f=xn を微分側に置くと、f′=nxn−1 になる。残る積分の多項式は次数が 1 小さい。
最後は多項式が定数になり、指数関数だけの積分になる。xn なら n 回で終わる。
右側に緑の項が 1 つずつ積み上がる。4 段そろったときが答えである。
例 1:x2ex
1 回目は f=x2、g′=ex とする。
∫x2exdx=x2ex−2∫xexdx
残った積分にもう一度当てる。∫xexdx=(x−1)ex である。
=x2ex−2(x−1)ex+C=(x2−2x+2)ex+C
微分して確かめると (2x−2)ex+(x2−2x+2)ex=x2ex になり、もとに戻る。
例 2:x3ex
3 回繰り返す。係数は 3、3⋅2=6、6⋅1=6 と階乗の形で増える。
∫x3exdx=(x3−3x2+6x−6)ex+C
符号が交互になる。ex をくくり出すと、括弧の中は次数の下がる多項式になる。
表にすると速い
繰り返しの部分積分は、表を作ると計算が整理できる[3]。左の列を微分し続け、右の列を積分し続ける。
左が 0 になったら止め、斜めに掛けて符号を交互に付けて足す。
表の斜めの線を上から順に読むと、x3ex、−3x2ex、+6xex、−6ex となる。足せば例 2 の答えと一致する。
三角関数でも同じ
sinx と cosx も、積分するたびに形が循環するだけで複雑にならない。積分側に置ける[2]。
例 3:x2sinx
g′=sinx なので g=−cosx である。
∫x2sinxdx=−x2cosx+2∫xcosxdx=−x2cosx+2(xsinx+cosx)+C=−x2cosx+2xsinx+2cosx+C
∫xcosxdx=xsinx+cosx を使った。符号の管理がいちばん間違えやすいところ。
例 4:x2cosx
∫x2cosxdx=x2sinx−2∫xsinxdx=x2sinx−2(−xcosx+sinx)+C=x2sinx+2xcosx−2sinx+C
例 5:定積分で計算する
∫01x2exdx
原始関数が分かっているので、代入するだけで済む。
=[(x2−2x+2)ex]01=(1−2+2)e−2=e−2
e−2≈0.718 である。
例 6:∫0πx2sinxdx
例 3 の原始関数に代入する。
=[−x2cosx+2xsinx+2cosx]0π=(π2+0−2)−(0+0+2)=π2−4
cosπ=−1、sinπ=0 を使う。答えは π2−4≈5.87 になる。
係数のパターン
∫xnexdx の答えは、ex に多項式が掛かった形になる。係数は階乗から出る。
| n | 答えの多項式 | 最後の定数 | | 1 | x−1 | −1 |
| 2 | x2−2x+2 | +2 |
| 3 | x3−3x2+6x−6 | −6 |
| 4 | x4−4x3+12x2−24x+24 | +24 |
定数項は ±n! である。符号は n が偶数なら正、奇数なら負になる。
繰り返しの部分積分では、符号が 1 回ごとに入れかわる。x3 なら +,−,+,− の順に並ぶ。
表で計算すると、この符号を機械的に付けられる。手で追うより間違えにくい。
参考文献
Paul Dawkins. *Integration by Parts*. Paul's Online Notes, Lamar University.
$\int x^2 e^x dx$ に部分積分を当てても積分が残りますが、$x$ の次数は $1$ 下がっています。もう一度当てれば指数関数だけになる。$x^n$ なら $n$ 回で必ず片づきます。左の列を微分し続け、右の列を積分し続ける表を作ると、斜めに掛けて符号を交互に付けるだけで答えが出る。$x^2\sin x$ や $x^2\cos x$ も同じ手順です。定数項が $\pm n!$ になるパターンまで、計算例を 6 通り並べました。