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絶対値はそのままでは外せない、場合分けが要る定積分

は 1 本の式ではない。 の範囲では 、 の範囲では という、2 つの式のつぎはぎである。

そのままでは原始関数が作れない。符号の変わり目で区間を切り、それぞれで絶対値を外してから積分する。

は となる点である。手順の中心は、この を見つけることになる。

手順

を解く

区間の中にある解で切る

各区間で符号を決める

絶対値を外して積分する

の解が区間の外にあれば、切る必要はない。区間全体で符号が変わらないので、絶対値をそのまま外せる。

グラフでは折り返しになる

のグラフは、 のグラフの 軸より下の部分を上へ折り返したものである。

折り返すと面積が符号付きでなくなる。 は正と負が打ち消し合う量、 は打ち消さない量になる。

赤い点が折り目である。この の値で区間を切れば、それぞれの中で符号が変わらなくなる。

例 1:1 次式の絶対値

より で切る。 では 、 では である。

図で見ると、直角二等辺三角形が 2 つある。面積は と で、たしかに合う。

例 2:2 次式の絶対値

より である。区間の中に 2 つとも入っている。

被積分関数は偶関数なので、右半分を 2 倍すればよい。

、 である。

絶対値を付けない と比べると、値がまったく違う。

例 3:

なので、零点は である。区間の内部にあるのは だけ。

では 、 では正である。

例 4:三角関数の絶対値

となるのは である。前半は正、後半は負。

だったのに、絶対値を付けると になる。打ち消しがなくなったぶんである。

文字が入ると場合分けになる

区間の端や被積分関数に文字が入ると、折り目が区間の中にあるかどうかで話が変わる。

折り目は である。これが の中にあるのは のときになる。

外にあるときは切る必要がない。区間全体で符号が一定なので、絶対値をそのまま外せる。

例 5: の場合

前半は である。

後半は になる。

を入れると 、 と ではどちらも になる。折り目が真ん中にあるときが最小である。

のとき緑のバーが最短になる。折り目が区間の中央にあるときが最小、という結果が目に見える。

絶対値の積分は、 を解いて切る点を決めるところから始まる。切ったあとは、各区間で符号を確かめて外すという同じ手順を繰り返す。

$|f(x)|$ は $1$ 本の式ではなく、符号ごとに顔を変えるつぎはぎです。だから $f(x) = 0$ を解いて区間を切り、それぞれで絶対値を外してから積分します。グラフでは、軸より下の部分を上へ折り返した形。$\int f$ は打ち消し合う符号付きの量、$\int|f|$ は打ち消さない面積そのものになります。$|2x-a|$ のように文字が入ると、折り目が区間の中にあるかどうかで場合分けが起きる。