周期関数の定積分 - 1 周期ぶんを何個ぶん足すか
をすべての で満たす関数を、周期 の周期関数という。 と は周期 である。
周期関数を 1 周期ぶん積分すると、区間をどこから始めても値が変わらない。
窓を横にずらしても、右から出ていくぶんと左から入ってくるぶんが同じだからである[1]。この性質があると、長い区間の積分が掛け算だけで片づく。
窓をずらしても面積が変わらない
区間 を と比べる。ずれた部分は と で、周期性からこの 2 つの面積は等しい。
片方が抜けても、同じ量がもう片方から補われる。差し引きが になる。
数値が小数点以下まで動かない。窓の位置が積分に効かないという性質が、そのまま出ている。
何周期ぶんでも掛け算で済む
1 周期の値が分かれば、 周期ぶんはその 倍である。
区間を 、、 と切り分け、それぞれが同じ値になるためである。長い区間でも、計算するのは 1 周期ぶんだけになる。
例 1:1 周期ぶんの sin
前半の山と後半の谷が同じ大きさで、符号が逆だからである[2]。 でも同じく になる。
始点をずらしても変わらない。 も である。
例 2:2 乗すると平均が になる
の部分は 1 周期ぶんで消え、定数 だけが残る。区間の長さ に を掛けて になる。
の 1 周期の平均が である、という言い方もできる。交流の実効値が最大値の になるのは、この平均から出る。
例 3:長い区間の
の周期は である。 となるため。
1 周期ぶんは で、それが 個ある。
原始関数を求めて を代入するより、周期で数えるほうが速い。
周期が変わる関数
もとの関数より周期が短くなることがある。2 乗や絶対値をとると、負の部分が折り返されて半分になる。

も も周期は である。 で数えると個数が半分になり、答えも半分になってしまう。
例 4:絶対値の 1 周期
では なので、絶対値をそのまま外せる。山 1 つぶんが である。
絶対値を付けない と比べると、違いがはっきりする。
例 5: までの絶対値
山が 10 個ある。数えるだけで答えが出る。
例 6:角の違う三角関数の積
積和公式で和に直す。
も も、 でちょうど整数回ぶんの周期になる。どちらの積分も である。
角が違えば 、同じなら でない[3]。この性質は、フーリエ級数の出発点になる[1]。
例 7:角が同じ場合
は で 6 周期ぶんなので消える。定数 だけが残り、 になる。
角の数によらず になる。 の平均が、いつでも だからである。
積和で和に直すと、どちらも整数回の周期。積分は
乗になり、定数 が残る。積分は
手順のまとめ
長い区間の定積分は、この 4 段でほとんど片づく。原始関数に大きい数を代入する必要がない。











