対称な区間なら計算する前に答えが決まる?偶関数と奇関数の定積分
積分区間が のように原点について対称なとき、計算を始める前にグラフの対称性を見る。奇関数なら答えは で、計算そのものが要らない[1]。
偶関数でも手間が半分になる。原点対称な区間が出てきたら、まず偶奇を確かめる価値がある。
偶関数と奇関数
を満たす関数が偶関数、 を満たす関数が奇関数である。
偶関数のグラフは 軸について対称、奇関数のグラフは原点について対称になる。
の偶数乗だけでできた多項式は偶関数、奇数乗だけなら奇関数である。 は偶、 は奇になる。
奇関数の面積は打ち消し合う
奇関数では、原点の右側の面積と左側の面積が符号だけ違う。足すと になる。
をどう動かしても合計が から動かない。奇関数の対称区間での積分が、計算せずに決まる理由である。
例 1:多項式を偶奇で分ける
と は奇関数なので消える。残るのは偶関数の部分だけ。
4 項のうち 2 項が消え、残りも半分の区間で済む。計算量が 4 分の 1 になった。
積の偶奇
偶と奇を掛けると、符号の規則が整数の偶奇と同じ形になる。

奇と奇を掛けると偶になる。 が偶関数なのはこの規則からである。
例 2:
は奇、 も奇なので、積は偶関数である。半分にして 2 倍する。
部分積分の結果 を使った。
例 3:
は奇、 は偶なので、積は奇関数である。
部分積分をせずに答えが出る。同じ でも、 と で結果がまったく違う。
例 4:
奇 × 偶 なので奇関数。 と書き直しても、 が奇関数だと分かる。
例 5:分数式
分子が奇、分母が偶なので、商は奇関数である。 の計算をせずに と決まる。
一方 は偶関数なので、 に直して計算する。
例 6:絶対値と偶関数
なので偶関数である。 では になる。
絶対値の場合分けが、対称性のおかげで片側だけで済む。
例 7:
は奇関数だが、2 乗すると偶関数になる。奇 × 奇 = 偶 の規則どおり。
どんな関数も偶と奇に分けられる
対称でない関数でも、偶の部分と奇の部分の和に分けられる。
を に替えて確かめると、前が偶、後が奇であることが分かる[2]。対称区間の積分では、奇の部分が消えて偶の部分だけが残る。
なお、偶でも奇でもある関数は だけである[2]。両方を満たすと になるためである。
例 8:偶奇分解で計算する
は偶でも奇でもない。偶の部分だけが残るので、次のように直せる。
そのまま と計算しても同じ値になる。分解が正しいことの確認にもなる。
対称区間で積分すると 。計算そのものが要らない
半分の区間を計算して 倍。手間が半分になる
使う前に区間を確かめる
対称性が効くのは、区間が原点について対称なときだけである。 や では使えない。
のように片寄った区間では、奇関数でも にならない。実際に計算すると になる。
区間の中心が原点かどうか。ここを最初に見る。











