二次体の整数環|代数的整数論

二次体は最も単純な非自明な数体であり、代数的整数論の具体例として重要です。その整数環の構造を詳しく調べます。

二次体の定義

を平方因子を持たない整数()とします。二次体は で定義されます。

実二次体

d > 0 のとき。 の部分体。

虚二次体

d < 0 のとき。 の部分体( には含まれない)。

上の次数は で、埋め込みは の2つです。

整数環の決定

)が代数的整数であるための条件を求めます。 の最小多項式は です( のとき)。これがモニックな整数係数多項式であるためには、

が必要十分です。 より と書けます。 に代入すると となり、 が必要です。

のとき、これを満たすには がともに整数、すなわち でなければなりません。

のとき、 の偶奇が一致すれば条件を満たします。特に のとき は代数的整数です。

結論

後者の場合、 を満たします。 なので は整数であり、これはモニックな整数係数多項式です。

具体例

いくつかの二次体の整数環を列挙します。

なので 。判別式は

なので 。判別式は

(ガウス整数)

なので 。判別式は

(アイゼンシュタイン整数)

なので )。判別式は

注意点

が一致するかどうかは で決まります。 のとき は整数環より真に小さく、これを見落とすと計算を間違えます。

また、 に平方因子があると話が変わります。例えば なので、 ではなく として考える必要があります。