単数群の構造 - 代数的整数論
単数群の具体的な構造、特に基本単数の計算方法と実例を詳しく見ていきます。
二次体の単数群
二次体 の単数群は最も具体的に計算できます。
虚二次体(d < 0)の場合、単数群は有限です。
| (位数4) | |
| (位数6、) | |
| その他 | (位数2) |
以外の虚二次体では、単数は のみです。これは を満たす が限られるためです。
実二次体とペル方程式
実二次体 (d > 0)では、単数群は の形で、 は無限位数の基本単数です。
基本単数はペル方程式
の最小正解から得られます。 のとき が最小正解なら です。
より 。
より 。
が基本単数(黄金比)。。
より 。
連分数による計算
の連分数展開を使うと、ペル方程式の最小解が系統的に得られます。 と周期的連分数で表されるとき、周期の最後の収束分子・分母が解を与えます。
例えば から、収束列は となり、、 が確認できます。
単数のノルム
基本単数 のノルム は か のどちらかです。
のすべての奇数乗がノルム 。 が可解。
は不可解。すべての単数のノルムは 。
となるのは がある条件を満たすときに限られます。例えば が素数で なら となります。
円分体の単数群
を奇素数、 を 乗円分体とします。 で、、 なので です。
単位根群は ( と で生成)。
円単数と呼ばれる特別な単数
\eta_a = \frac{1 - \zeta_p^a}{1 - \zeta_p} \quad (1 < a < p)
が基本単数の候補を与えます。円単数と基本単数の関係は深く、類数公式と結びついています。
高次体の単数
次数が高くなると単数群の階数も大きくなり、基本単数の計算は困難になります。実用的には LLL アルゴリズムなどの格子基底簡約を使って、小さいノルムの元を見つけます。
計算代数ソフトウェア(PARI/GP、SageMath など)には単数群を計算する機能が実装されています。