局所体と大域体|代数的整数論
局所体と大域体は代数的整数論において相補的な役割を果たします。大域的な問題を局所的に分析し、それらを統合するアプローチが強力な道具となります。
大域体の定義
大域体とは、数体( の有限拡大)または関数体(有限体上の1変数代数関数体)のことです。ここでは数体に焦点を当てます。
数体 の「素点」とは、 上の絶対値の同値類のことです。
素イデアル に対応。 進絶対値 。
実または複素埋め込みに対応。通常の絶対値。
素点全体を と書きます。有限素点は の素イデアルと1対1に対応します。
局所体の定義
局所体とは、非アルキメデス局所体( やその有限拡大)または 、 のことです。
の素点 に対し、 を で完備化して得られる体 は局所体です。
| が有限素点 | は の有限拡大(非アルキメデス) |
| が実無限素点 | |
| が複素無限素点 |
積公式
を数体、 とします。各素点 に対し正規化された絶対値 を定義すると、積公式
が成り立ちます。これは大域体の特徴的な性質であり、 での素因数分解の一意性を反映しています。
アデールとイデール
すべての局所体を同時に扱うため、アデール環とイデール群が導入されます。
ここで は制限積を表し、ほとんどすべての有限素点 で となる元の全体です。
イデール群は
で、ほとんどすべての有限素点 で となる元の全体です。
、。
。類体論の中心的対象。
局所大域原理
多くの問題で、局所条件と大域条件の関係が問われます。
ハッセ・ミンコフスキーの定理は、二次形式が有理数上で非自明な零点を持つことと、すべての局所体上で零点を持つことが同値であると主張します。
しかし、すべての方程式で局所大域原理が成り立つわけではありません。
局所大域原理が成り立つ
一般には成り立たない。障害はシャファレヴィッチ・テイト群で測られる。
類体論との関係
局所類体論は局所体のアーベル拡大を記述し、大域類体論は数体のアーベル拡大を記述します。
イデール類群 と の最大アーベル拡大のガロア群の間には正準な同型(アルティン写像)が存在します。これは局所と大域の情報を結びつける深い定理です。
ガロア群のフロベニウス元は局所体での自己同型を通じて定義され、大域的なアーベル拡大の情報を局所的なデータから再構成できます。