p進数と完備化(代数的整数論)
進数は有理数を「 で何回割れるか」という視点で完備化したもので、局所的な解析を可能にする重要な道具です。
進付値
素数 を固定します。 でない有理数 ()に対し、 進付値を で定義します。 とおきます。
は以下の性質を満たします。
2番目の性質は通常の絶対値よりも強く、非アルキメデス的または超距離的と呼ばれます。
進絶対値
進絶対値を で定義します。 です。
| () | |
| () | |
| () | |
| () |
通常の絶対値と異なり、 で割り切れるほど「小さい」と見なされます。
進数体
を で完備化して得られる体を 進数体と呼び、 と書きます。実数 が通常の絶対値による完備化であるのと並行します。
通常の絶対値 による の完備化
進絶対値 による の完備化
の元は 進展開で表せます。
x = \sum_{n = v_p(x)}^{\infty} a_n p^n \quad (0 \leq a_n < p)
負の方向は有限、正の方向は無限に続きます。
進整数環
を 進整数環と呼びます。
は の付値環であり、 の 進完備化でもあります。
と射影極限で特徴付けられます。
進数の単数
は 進単数群です。
と分解します。 は と同型( のとき)であり、これは対数写像 が 進的に収束することから従います。
数体の完備化
数体 の素イデアル に対しても同様に 進完備化 が定義できます。 のとき は の有限拡大になります。
の有限拡大で、。
は局所体と呼ばれ、局所類体論の舞台となる。
局所大域原理
方程式を解くとき、まず各素点での可解性(局所条件)を調べ、次に大域的な可解性を考える方法があります。
二次形式に対するハッセ・ミンコフスキーの定理は、局所条件から大域的可解性が従う例です。一般には局所条件だけでは不十分で、その障害がシャファレヴィッチ・テイト群として現れます。