ラプラス方程式
ラプラス方程式は、定常状態や平衡状態を記述する楕円型偏微分方程式です。電磁気学の静電場、流体力学のポテンシャル流れ、定常熱分布など、時間変化のない現象に広く現れます。
ラプラス方程式の形
2次元では、
3次元では、
(ラプラシアン)は「曲がり具合の総和」を測る演算子と考えられます。
物理的な意味
ラプラス方程式 を満たす関数を調和関数といいます。
静電場
電荷のない領域で、電位 は を満たします。
定常熱伝導
熱源のない領域で、定常温度分布は を満たします。
非圧縮流体
渦なしの非圧縮流体の速度ポテンシャルは を満たします。
境界値問題
ラプラス方程式では、領域の境界での値を指定するディリクレ問題が基本です。
たとえば、金属板の端を一定温度に保ったとき、内部の定常温度分布を求める問題です。
長方形領域での解法
, の長方形で、3辺で 、残り1辺で の場合、変数分離法を使います。
と置くと、
境界条件から固有値 が決まり、
の形の解が得られます。
円板上のラプラス方程式
極座標 では、
半径 の円板で が与えられたとき、解はポアソン積分公式で表されます。
調和関数の性質
平均値の性質
調和関数の任意の点での値は、その点を中心とする球面(または円周)上の平均値に等しい。
最大値原理
調和関数は、領域の内部で最大値も最小値もとらない(境界でのみ極値をとる)。
最大値原理は、ディリクレ問題の解の一意性を保証する重要な定理です。境界値が同じなら、内部の解も一意に決まります。
ラプラス方程式とその非同次版であるポアソン方程式 は、物理学と数学の両方で中心的な役割を果たす方程式です。