1階線形微分方程式
1階線形微分方程式は、応用上最も重要な微分方程式の一つです。電気回路、化学反応、経済モデルなど、幅広い分野で現れます。積分因子を用いた解法により、一般解を明示的に書き下すことができます。
標準形
1階線形微分方程式は次の形に書けます。
とその導関数 が1次式として現れており、「線形」という名前の由来です。 のとき同次、 のとき非同次と呼びます。
積分因子による解法
両辺に積分因子 を掛けます。すると、
左辺は積の微分公式により、
と書けます。両辺を積分すれば、
したがって一般解は、
です。
例題1:同次の場合
, なので、 です。
したがって が一般解です。
例題2:非同次の場合
, なので、 です。
積分すると、
したがって、
積分因子の意味
を掛けることで、左辺が「積の微分」の形になり、直接積分できるようになります。
一般解の構造
一般解は「同次方程式の一般解」+「非同次方程式の特殊解」という形になっています。上の例では が同次の解、 が特殊解です。
公式としてまとめると
これを暗記するよりも、積分因子 を掛けて「積の微分」に持ち込むという手順を理解する方が応用が利きます。
応用:RC 回路
抵抗 とコンデンサ の直列回路では、電圧 に対して電荷 が従う方程式は、
これは1階線形微分方程式であり、積分因子を使って解くことができます。