常微分方程式と偏微分方程式
微分方程式は、大きく常微分方程式(ODE: Ordinary Differential Equation)と偏微分方程式(PDE: Partial Differential Equation)に分類されます。この区別は、未知関数が1変数か多変数かによって決まります。
常微分方程式
未知関数が1つの独立変数のみに依存する場合、その微分方程式を常微分方程式と呼びます。
左の式は指数関数的な増減を表し、右の式は単振動を記述します。どちらも未知関数 は1変数( または )のみの関数なので、常微分方程式です。
偏微分方程式
未知関数が複数の独立変数に依存する場合、偏微分方程式となります。
これは熱方程式と呼ばれ、温度 が位置 と時刻 の両方に依存しています。偏微分記号 が使われているのが目印です。
常微分方程式(ODE)
独立変数が1つ。 や など。通常の微分 を使う。
偏微分方程式(PDE)
独立変数が複数。 や など。偏微分 を使う。
具体例で見る違い
物体の自由落下を考えます。位置 は時刻 のみの関数なので、運動方程式
は常微分方程式です。
一方、弦の振動では、変位 が位置 と時刻 の両方に依存します。
これは波動方程式と呼ばれる偏微分方程式です。
学習の順序
一般に、常微分方程式から先に学びます。変数が1つなので取り扱いが比較的単純であり、解法の基本的なアイデアを身につけやすいからです。偏微分方程式は、常微分方程式の知識を土台として、フーリエ解析などの追加の道具を用いて学んでいきます。