中学英語812035 views
小学算数1201030 views
高校物理160543 views
りんご211690 views
中学理科1631220 views
高校化学2925825 views
中学数学623977 views
英語614322 views
いろは3013586 views
中学社会669002 views
Help
Tools
NewsSpreadsheetCalendarBookkeepingMarkdown TablesLanguage Model NewsLinux CommandsSlidesTier ListPen ToolIllustrationCrayonWatercolorPixel ArtASCII ArtPerspectiveEndless StairsGraphMind MapER DiagramFamily TreeMemeCurved TextImage EditorMosaicRetro FilterPencil SketchSwirl EffectLine ArtOCR/HighlighterMakeup EditorFaviconVideo TrimmerScrolling VideoVideo TitleColor PickerColor ExtractorBonfireFireworksCherry BlossomWater RippleWater SplashBreaking GlassGlass TextureFabric TextureWood GrainMarble TextureBrick Wall TextureMetal TextureWashi Paper TextureCardboard TextureCSS ButtonIcon MakerBar ChartGrouped Bar ChartStacked Bar ChartPie ChartLine ChartArea ChartStacked Area ChartScatter Plot3D Bar Chart3D Pie ChartBar Chart RaceBubble ChartPopulation PyramidPictogramEarningsCandlestick ChartInvestment RiskMortgage SimulatorCalculatorMatrix CalculatorFunction GraphPolynomial ExpansionVenn DiagramField VisualizerRubik's Cube Group TheoryTraveling SalesmanVoronoi and DelaunayFractalUniversity Entrance Exam MathColumn ArithmeticDraw Math FiguresArithmetic AnimationArithmetic Word ProblemsCounting with Tree DiagramsCube NetsRolling DiceCross SectionsMotion PathMechanicsWavesUniversity Entrance Exam Physics解析力学Quantum MechanicsStatistical MechanicsRelativityCelestial MechanicsAstrophysicsCosmologyElectromagnetic WavesCapacitorsLight and LensesThermodynamicsHow Semiconductors WorkMolecular StructuresAtomic OrbitalsElectrochemical CellsChemical EquilibriumCrystal LatticesBuffer pHOrganic Reaction MapPeriodic TableComplex IonsDNA Double HelixCell DivisionMembrane ChannelsNerve ImpulseMuscle ContractionHormones and HomeostasisRock ClassificationWeatherConstellationsSolar and Lunar Eclipses3D ModelingFloor PlanSeismic StructuresIntersection TurnMaglevCooking AnimationOrigamiLive Viewer CountGeoJSON MapRailway MapPopulation MapCrime MapLand Price MapSchool MapShrine and Castle MapHouse of Representatives MapWord MapSolitaireReversiHakoiri MusumeChessHamburgerRippleSlide Puzzle MakerNeon PinballNovel MakerJapanese Typing PracticePiano Score EditorMusic TheoryShogi StrategyPiano Rhythm Game

English

べき級数はどこまで届くのか?収束半径をコーシー・アダマールで決める

べき級数が収束するかどうかは、中心からの距離だけで決まります。

ある があって、 なら絶対収束、 なら発散する。この が収束半径です[1]

境目がちょうど円になるところが、実の級数と違って見える点。実数だけを見ていると区間の端が 2 つあるように見えますが、複素平面では円周 1 本にまとまります。

でも無限大でもよい。 なら中心以外どこでも発散し、無限大なら全平面で収束します。

アーベルの補題

収束の様子が円で決まる理由は、1 つの補題から出ます。

ある点 で項 が有界だとする。このとき を満たす で、級数は絶対収束します。

比を と置くと、項の大きさが で抑えられるため。等比級数と比べるだけの議論です。

つまり 1 点で収束すれば、それより内側ではすべて収束する。逆に 1 点で発散すれば、それより外側ではすべて発散します。

収束する点の集合が円板になるのはこのため。半径の上限が収束半径です[2]

コーシー・アダマールの公式

係数から半径を計算する式があります。

上極限を使うところが要点です。極限が存在しない係数列でも、この式なら必ず値が決まります。

右辺が なら は無限大、無限大なら と読みます。どんな係数列にも半径が定まる[1,2]

導出は根の判定法から。 より小さければ収束します。

ダランベールの形

比の極限が存在する場合には、こちらのほうが計算しやすい。

階乗や指数が入った係数では、比をとると大きく約分できます。根をとるより手数が少ない。

ただし極限が存在しないと使えません。係数が振動する場合は、コーシー・アダマールに戻ることになります。

例:指数関数

の係数は です。比をとる。

したがって収束半径は無限大。全平面で収束し、 は整関数です。

も同じ形の係数を持つので、やはり整関数になります。

例:幾何級数

の係数はすべて です。根をとっても比をとっても になり、

和は に一致します。 で分母が消えるので、そこが半径を決めている。

半径が になる理由が、係数の側からも関数の側からも読める例です。

例:係数が振動する場合

を、 が偶数なら 、奇数なら とします。

を行き来し、極限を持ちません。ダランベールの形は使えない。

根のほうは なので、上極限は です。したがって

上極限を使う理由がここに出ています。振動する係数でも、いちばん大きい寄り先を拾えばよい。

半径は最も近い特異点まで

級数が正則関数を表しているとき、半径には幾何的な意味があります。中心から、関数が正則に延ばせなくなる最も近い点までの距離。

級数が特異点を飛び越えて収束することはありません。飛び越えたなら、その点でも正則になってしまう。

逆に、収束円の内側では必ず正則です。項別に微分できるので、導関数も同じ半径のべき級数になります。

例:実軸では見えない特異点

は実軸のどこでも滑らかで、値も有限です。それでも原点まわりの級数は でしか収束しない。

実数だけを見ていると、 で止まる理由がどこにもありません。複素平面へ出ると に極があり、原点からの距離がちょうど

収束半径が実軸上の様子と合わないときは、虚軸の側に原因があります。実数だけの世界では説明がつかない現象。

収束円の内側でできること

の内側では、級数は広義一様収束します。コンパクトな部分集合の上で一様。

だから項別に微分も積分もできます。得られた級数の収束半径は、もとと同じ

を掛けても なので、上極限は変わりません。何回微分しても半径は保たれる。

級数の和は収束円の内側で正則です。逆に正則関数はべき級数に開けるので、2 つは同じものを別の言葉で言っているだけ[4,5]

境界の上では場合による

の上での振る舞いは、級数ごとに違います。全部収束することも、全部発散することも、混ざることもある。

代表的な 3 つを並べます。どれも収束半径は です。

。境界のどの点でも発散する。項が へ行かない
でだけ発散し、他の点では収束する
。境界のどの点でも絶対収束する

真ん中の例が、混ざる場合の典型です。 では調和級数になって発散し、 では交代級数で収束します。

アーベルの定理

境界の点で級数が収束しているとき、その値と内部からの極限がつながります。

が収束するなら、 へ近づけたときの の極限が に一致する。

複素数の場合は、近づき方に条件が付きます。境界に接するように寄ってはいけません。 を満たす角の中から近づく必要があります。

この定理のおかげで、有名な値がいくつも計算できます。

の展開は で成り立ちます。 での級数が収束するので、アーベルの定理から左辺の値へつながる。

こちらは の展開に を入れた形です。どちらも境界の点での値を、内部からの極限として正当化しています。

逆向きの主張は一般には成り立ちません。極限が存在しても、級数が収束するとは限らない。条件を足した形はタウバー型の定理と呼ばれます[3]

和や積の収束半径

2 つの級数を足すと、半径は小さいほうより小さくなりません。

半径が違えば等号が成り立ちます。同じなら大きくなることもある。 を足せば になり、半径は無限大です。

積についても同じ形の不等式が成り立ちます。コーシー積の係数を評価すれば出る。

よくある誤り

境界の上での収束は半径から決まりません。級数ごとに調べます
ダランベールの形は極限が存在するときだけ。振動する係数には使えない
と書き換えられません。存在しない場合があります
実軸の様子だけで半径を決められません。虚軸側の特異点も距離を決めます
半径が同じでも、和の半径が大きくなることがあります。打ち消し合う場合
項別微分で半径は変わりません。 を掛けても 乗根は へ行きます
収束円の上での一様収束は保証されません。内側のコンパクト集合の上だけです
アーベルの定理は近づき方に条件が付きます。接するように寄ると崩れる

係数という数列の情報が、収束円という幾何に翻訳されます。さらにその円は、関数の特異点の位置で説明される。数列と幾何と関数の 3 つが、1 つの半径で結ばれています。

参考文献

Radius of convergence - Wikipedia
Rayon de convergence - Wikipédia(フランス語)
Abel's theorem - Wikipedia
Cauchy's integral formula - Wikipedia
Laurent series - Wikipedia
実数だけを見ていると区間の端が二つあるように見えますが、複素平面では境目が円周一本にまとまります。一点で収束すればそれより内側は全部収束する、というアーベルの補題がその理由。上極限を使うコーシー・アダマールの公式、比で計算するダランベールの形、係数が振動して比が使えない例を並べます。半径は最も近い特異点までの距離でもあり、実軸では滑らかな 1/(1+x^2) が幅 2 の帯でしか合わない理由もそこから。境界の上では級数ごとに振る舞いが分かれ、アーベルの定理が log 2 と円周率の値を橋渡しします。