ガンマ関数とベータ関数の定義と性質

ガンマ関数は階乗の一般化として定義される特殊関数で、数学や物理学の多くの分野で登場する。階乗が非負整数にのみ定義されるのに対し、ガンマ関数は複素数全体(いくつかの点を除く)に拡張された形で定義される。

ガンマ関数の定義

ガンマ関数 は次の積分で定義される。

この積分は のとき収束する。 が正の実数のとき、この積分は実数値をとる。

階乗との関係

正の整数 に対して が成り立つ。つまり , , となり、ガンマ関数は階乗を実数や複素数に拡張したものとみなせる。

漸化式

が成り立つ。この関係式を繰り返し適用すると、 が得られる。

ガンマ関数の重要な性質として、 がある。これはガウス積分と呼ばれる から導かれる。

ベータ関数の定義

ベータ関数 は 2 変数の特殊関数で、次のように定義される。

この積分は かつ のとき収束する。

対称性

が成り立つ。これは積分変数を と置換することで確認できる。

ガンマ関数との関係

ベータ関数はガンマ関数を用いて次のように表される。

この関係式により、ベータ関数の計算がガンマ関数に帰着される。

ベータ関数の別表示として、次の積分形もよく用いられる。

これは と置換することで得られる。

主な性質と応用

ガンマ関数の相反公式:
ベータ関数の積分表示は確率論における二項分布やベータ分布の正規化に使われる
物理学では量子力学の角運動量計算や統計力学の分配関数に登場する
組合せ論では多項係数の計算にベータ関数が現れる

ガンマ関数は解析接続により複素平面全体に拡張できるが、 で極をもつ。これらの点では関数は定義されないが、その周辺での振る舞いは と記述される。

特殊な値として、半整数点でのガンマ関数は

と表される。ここで は奇数の二重階乗である。

ベータ関数は二項係数の一般化とも解釈できる。実際、正の整数 に対して

が成り立つ。これは組合せ論的な解釈と結びつく重要な関係式である。