特異点の分類(極・真性特異点・除去可能特異点)
複素関数の特異点には、性質の異なる 3 種類があります。ローラン展開の主要部を見ると、どの種類かがわかります。
孤立特異点とは
点 が孤立特異点であるとは、 では正則でないが、 の近く( となる領域)では正則であることを意味します。
孤立特異点は次の 3 つに分類されます。
除去可能特異点
ローラン展開の主要部がない、つまり負のべきの項がすべて 0 の場合です。
と定義し直せば、 は でも正則になります。特異点を「除去」できるので、この名前がついています。
例として を見ます。 は定義されていませんが
主要部がないので、 と定義すれば原点でも正則になります。
極
主要部が有限項で終わる場合です。 で ()のとき、 は 位の極といいます。
例として は で 3 位の極を持ちます。
極の特徴は、 で となることです。
1 位の極(単純極)
の形。留数は 。
位の極
が で正則になる最小の 。
真性特異点
主要部が無限に続く場合です。
例として があります。
負のべきが無限に現れるので、原点は真性特異点です。
真性特異点の奇妙な振る舞い
ピカールの定理によると、真性特異点の近くで関数はほとんどすべての複素数値を取ります。 での極限が存在しない、非常に「荒れた」振る舞いをします。
たとえば で を考えると、近づく方向によって値が大きく変わります。正の実軸から近づくと へ、負の実軸から近づくと へ向かいます。
分類のまとめ
| 分類 | 主要部 | での振る舞い |
|---|---|---|
| 除去可能特異点 | なし | 極限が存在する |
| 極( 位) | 有限項(最大 項) | |
| 真性特異点 | 無限項 | 極限なし(値が暴れる) |
特異点の分類は、ローラン展開を見れば判定できます。