リーマンゼータ関数の基礎
リーマンゼータ関数は、素数分布の謎を解く鍵として 19 世紀に導入された。複素解析の技法が整数論に応用される典型例であり、未解決のリーマン予想で広く知られている。
定義と収束
に対して、リーマンゼータ関数は
で定義される。各項 は の正則関数であり、 で級数は絶対収束する。
級数表示が収束し、 を直接計算できる
級数は発散。解析接続で定義を拡張する必要がある
オイラー積
は素数との深い関係を持つ。オイラー積表示
は、素因数分解の一意性から従う。各因子 を展開して積を取ると、 が再現される。
このオイラー積から、()が分かる。各因子が 0 でないからだ。
解析接続
は の領域から複素平面全体に解析接続できる。 は単純極で、留数は 1 だ。
ここで はオイラー・マスケローニ定数。 以外では は正則となる。
負の整数での値
( はベルヌーイ数)。たとえば 。
負の偶数での零点
。これらを自明な零点と呼ぶ。
関数等式
は と を結ぶ関数等式を満たす。
または、 と置くと
という対称的な形になる。この関数等式は解析接続を与える方法の一つでもある。
リーマン予想
の非自明な零点( 以外の零点)は、すべて 上にあるというのがリーマン予想だ。直線 を臨界線と呼ぶ。
素数の分布を精密に記述する素数定理の誤差項は、 の零点分布と密接に関わる。リーマン予想が正しければ、素数の分布に関する最良の誤差評価が得られる。
特殊値
の正の偶数での値は のべきで表せる。
一方、, など奇数での値は との関係が不明で、 が無理数であることはアペリーによって証明されたが(1978 年)、超越性は未解決だ。