高校化学2925825 views
中学理科1631220 views
いろは3013586 views
雑学1473717 views
世界の国564972 views
LaTeX962713 views
高校日本史190639 views
高校物理160543 views
小学算数1201030 views
Computer368461 views
Help
Tools
NewsSpreadsheetCalendarBookkeepingMarkdown TablesLanguage Model NewsLinux CommandsSlidesTier ListPen ToolIllustrationCrayonWatercolorPixel ArtASCII ArtPerspectiveEndless StairsGraphMind MapER DiagramFamily TreeMemeCurved TextImage EditorMosaicRetro FilterPencil SketchSwirl EffectLine ArtOCR/HighlighterMakeup EditorFaviconVideo TrimmerScrolling VideoVideo TitleColor PickerColor ExtractorBonfireFireworksCherry BlossomWater RippleWater SplashBreaking GlassGlass TextureFabric TextureWood GrainMarble TextureBrick Wall TextureMetal TextureWashi Paper TextureCardboard TextureCSS ButtonIcon MakerBar ChartGrouped Bar ChartStacked Bar ChartPie ChartLine ChartArea ChartStacked Area ChartScatter Plot3D Bar Chart3D Pie ChartBar Chart RaceBubble ChartPopulation PyramidPictogramEarningsCandlestick ChartInvestment RiskMortgage SimulatorCalculatorMatrix CalculatorFunction GraphPolynomial ExpansionVenn DiagramField VisualizerRubik's Cube Group TheoryTraveling SalesmanVoronoi and DelaunayFractalUniversity Entrance Exam MathColumn ArithmeticDraw Math FiguresArithmetic AnimationArithmetic Word ProblemsCounting with Tree DiagramsCube NetsRolling DiceCross SectionsMotion PathMechanicsWavesUniversity Entrance Exam Physics解析力学Quantum MechanicsStatistical MechanicsRelativityCelestial MechanicsAstrophysicsCosmologyElectromagnetic WavesCapacitorsLight and LensesThermodynamicsHow Semiconductors WorkMolecular StructuresAtomic OrbitalsElectrochemical CellsChemical EquilibriumCrystal LatticesBuffer pHOrganic Reaction MapPeriodic TableComplex IonsDNA Double HelixCell DivisionMembrane ChannelsNerve ImpulseMuscle ContractionHormones and HomeostasisRock ClassificationWeatherConstellationsSolar and Lunar Eclipses3D ModelingFloor PlanSeismic StructuresIntersection TurnMaglevCooking AnimationOrigamiLive Viewer CountGeoJSON MapRailway MapPopulation MapCrime MapLand Price MapSchool MapShrine and Castle MapHouse of Representatives MapWord MapSolitaireReversiHakoiri MusumeChessHamburgerRippleSlide Puzzle MakerNeon PinballNovel MakerJapanese Typing PracticePiano Score EditorMusic TheoryShogi StrategyPiano Rhythm Game

English

円と直線を同じものとして扱う、メビウス変換と一次分数変換

分数の形をした写像が、複素平面のいちばん基本的な変換です。

メビウス変換と呼びます[1]。この 1 つの形の中に、平行移動も回転も拡大も反転も入っている。

いちばん目を引く性質は、円と直線の区別がなくなることです。円は円か直線へ、直線は円か直線へ写ります。直線を無限遠点を通る円だと見なせば、円は円へ写るという 1 本の規則にまとまる。

定義と条件

分母が消えないための条件が です。これが だと、分子と分母が比例して写像が定数につぶれる。

なら分母が定数になり、 という 1 次関数です。回転と拡大と平行移動の合成にあたる。

のときは で分母が消えます。この点を無限遠点へ送り、無限遠点を へ送ると決めれば、リーマン球面の上で全単射になります。

導関数を計算すると、条件の意味がはっきりします。

分子が でないので、導関数はどこでも消えません。だからメビウス変換はいたるところ等角[5]

行列との対応

係数を並べた行列を考えると、合成が行列の積になります。

2 つの変換を続けて施した結果の係数は、行列の積の成分と一致する。逆変換は逆行列に対応します。

行列全体を定数倍しても写像は変わりません。 倍しても分数の値が同じだから。

したがって対応するのは、定数倍を同一視した射影一般線形群です。行列式を に正規化すると、符号の違いだけが残ります[2]

4 つの基本変換に分ける

のとき、割り算をして形を整理します。

右辺を読むと、次の 4 段階を順に施した形だと分かります。

。回して伸ばして、ずらす
。反転する
。もう一度、回して伸ばす
。最後にずらす

新しい要素は 2 段目の反転だけです。ほかは学校で習う平面の変換と変わりません。

反転が効いている

は、絶対値を に、偏角を にします。単位円の外と内を入れ替え、そのあと実軸で折り返す操作です。

原点は無限遠点へ、無限遠点は原点へ移ります。この 2 点を交換するところが、平面の中だけでは扱いきれない部分。

円と直線の区別が消えるのも反転のしわざです。原点を通る円は直線になり、原点を通らない円は円のまま移る。

一般の円と直線は、次の 1 本の式でまとめて書けます。

なら円、 なら直線。 を代入すると、 が入れ替わった同じ形の式になります。だから族全体が保たれる。

3 点で 1 つに決まる

異なる 3 点をどこへ送るかを決めると、メビウス変換がちょうど 1 つに決まります。

自由度が 3 つあることは係数から読めます。4 つの係数のうち定数倍の自由が 1 つ落ちるので、残りは 3 つ。

3 点より少ないと決まらず、4 点だと一般には無理です。4 点目の行き先は、複比という量で縛られます。

複比

4 点から作る次の量が、メビウス変換で変わりません。

3 点を へ送る変換を作ってみると、複比が不変であることが見えます。

複比が実数になることと、4 点が同一の円か直線の上にあることが同値です。円が円へ写る性質を、この量から導くこともできます[2]

例:3 点を指定して作る

へ送る変換を組み立てます。複比の形をそのまま使う。

で分子が消えて で分母が消えて を入れると になります。

3 点が単位円周上にあるので、単位円は直線へ写ります。実際、像は実軸です。

固定点

を解くと、2 次方程式になります。

恒等写像でなければ、固定点は重複を込めて 2 つ。リーマン球面の上で数えます。

の場合は無限遠点が固定点になり、有限の固定点はもう 1 つだけ。平行移動なら、無限遠点が重複した固定点になります。

4 つの型に分かれる

行列式を に正規化したときの跡 で、変換の型が決まります。

跡の 2 乗が 。放物型。固定点が 1 つに重なり、平行移動のように振る舞う
跡の 2 乗が 以上 未満。楕円型。2 つの固定点のまわりを回る
跡の 2 乗が より大きい実数。双曲型。一方の固定点から他方へ流れる
それ以外。斜航型。回りながら流れる

固定点を へ移して見ると、変換は の形になります。 を乗数と呼ぶ。

なら楕円型で回転、 が正の実数なら双曲型で拡大、どちらでもなければ斜航型で回りながら拡大。放物型は乗数が定義できない別枠です[1]

例:型を判定する

を調べます。行列は成分が で、行列式は

跡は なので、跡の 2 乗は です。したがって放物型。

固定点を求めると から の重解になります。 つに重なるという分類の内容と合っています。

なら行列の成分が で、跡は です。2 乗すると より大きいので双曲型。固定点は

円板を自分自身へ写す

単位円板を単位円板へ写すメビウス変換は、次の形に限られます。

が原点へ行く点で、 が全体の回し方。 を代入すると になることが直接確かめられます。

この形が、円板の自己同型をすべて尽くします。証明にはシュワルツの補題を使う[6,7]

を選べば、円板の中のどの点も中心へ持ってこられます。だから円板の中に特別な点はありません。

上半平面と円板をつなぐ

上半平面を単位円板へ写す変換にも、簡単な形があります。

へ行き、実軸が単位円周へ移ります。実際 が実数なら なので、

上半平面を自分自身へ写す変換は、係数がすべて実数で のものです。整数に限れば、モジュラー群と呼ばれる群になります。

球面の回転として見る

リーマン球面まで持ち上げると、メビウス変換は球面全体の等角な自己同型です。逆に、球面の自己同型はメビウス変換しかありません[3,4]

そのうち球面の剛体回転にあたるものは、係数が特別な形をした一群です。回転を平面へ射影して見ると、分数の形に化ける。

球面で考える利点は、無限遠点を特別扱いしなくてよくなることです。 が対等な 2 点になり、 はそれを入れ替える半回転にすぎない。

例:無限遠点を含む扱い

を送る先は を送る先は です。平面の中だけでは書けない対応。

では、 だけが固定点です。有限のどの点も動くので、固定点が 1 つに見える。

球面の上では、 が重複した 2 つの固定点として数えられます。放物型という分類は、この数え方の上で意味を持ちます。

よくある誤り

は写像になりません。値が 1 点につぶれます
円が必ず円へ写るとは限りません。極を通る円は直線になります
中心は中心へ写りません。円の中心の像と、像の円の中心は別の点です
固定点は球面で数えます。無限遠点を忘れると個数が合いません
分類は行列式を にそろえてから跡を見ます。正規化しないと判定が狂う
4 点の行き先を勝手に決められません。3 点までが自由です
合成の順序を入れ替えると別の変換になります。行列の積と同じで非可換
円板の自己同型は回転だけではありません。中心をずらす形も含みます

平行移動、回転、拡大、反転。この 4 つを組み合わせるだけで、球面のすべての等角な自己同型が出そろいます。単純な形の中に、これだけの幾何が入っている。

参考文献

Möbius transformation - Wikipedia
Möbiustransformation - Wikipedia(ドイツ語)
Riemann sphere - Wikipedia
Riemannsche Zahlenkugel - Wikipedia(ドイツ語)
Conformal map - Wikipedia
Schwarz lemma - Wikipedia
Riemann mapping theorem - Wikipedia
分数一つの形の中に、平行移動も回転も拡大も反転も入っています。四段階に分けると新しい要素は反転だけ。そこから円と直線の区別が消える理由が見えてきます。行列との対応、三点で一つに決まること、複比が動かないこと、固定点と、跡の二乗による楕円型・放物型・双曲型・斜航型の分類。単位円板を自分自身へ写す形、上半平面とのつなぎ方、そしてリーマン球面の自己同型がこれで尽きるという話まで。