円の外の点からひく 2 本の接線、長さがそろうという性質
円の外の 1 点から接線を引くと、必ず 2 本引けます。接点までの長さは 2 本とも同じです。
点を動かしても、円を大きくしても、この等式は崩れません。合同な直角三角形が 2 つできるためです。
まず接線そのものの性質から確かめます。
接線は半径と直交する
円と 1 点だけを共有する直線を接線と呼びます。接点を通る半径は、接線と直角に交わります。
理由は距離で考えると早い。中心から接線へ下ろした垂線の足が、中心にいちばん近い点になります。
その距離が半径より短ければ直線は円を 2 か所で切り、長ければ交わりません。ちょうど半径のときだけ 1 点で接する。
だから接点は垂線の足そのもの。半径と接線が直交します。
長さが等しい理由
外の点 P から円へ 2 本の接線を引き、接点を A、B とします。中心を O とすると、三角形 OAP と三角形 OBP を比べられます。
で、これは半径。 は共通。 です。
斜辺と他の 1 辺がそれぞれ等しい直角三角形なので合同。だから になります。
同時に も出ます。PO は角 APB を二等分する直線です。

長さを計算する
三平方の定理を使うと、接線の長さが求まります。、半径を とします。
、 なら 。、、 の直角三角形が現れます。
が に近づくと は に近づき、 で P が円周上に来て接線が 1 本になる。 では接線が引けません。
接線は 2 本。長さは で等しい
接線は 1 本。長さは になる
例:三角形に内接する円
三角形 ABC に内接する円を考えます。3 つの頂点はどれも円の外にあるので、それぞれから 2 本ずつ接線が引けます。
その 2 本は辺 AB、BC、CA の一部そのもの。だから頂点から接点までの長さが、同じ頂点について 2 本とも等しくなります。
頂点 A からの長さを 、B からを 、C からを とすると、、、。
3 式を足して 2 で割ると になり、 が出ます[3]。3 辺の長さだけで接点の位置が決まる。

例:3 辺が 5、6、7 のとき
なので 、、 です。
ただし は頂点 A の向かいの辺なので、対応をまちがえないようにします。、、。
確かめると 、、。すべて合いました。
接点までの長さは、頂点の向かいの辺を周の半分から引いた値になります。
の が向かいの辺だという点だけ押さえれば、残りは同じ形です。
接線の作図
円の外の点から接線を引くには、コンパスと定規だけで足ります[1]。
線分 OP を直径とする円を描きます。この円ともとの円の交点が、そのまま接点になる。
理由は円周角の定理から出ます。OP を直径とする円の上の点は、OP を直角で見込む。だから半径と直交します[2]。
2 つの円は必ず 2 点で交わるので、接線も 2 本引けます。

半径 の円があり、中心から 離れた点 P から接線を引きます。接点までの長さはいくつですか。
検算のしかた
出した接線の長さ と半径 、中心までの距離 のあいだで に戻るかを見ます。
。合いました。
もう 1 つは大小の向きです。接線の長さは必ず より短くなります。 が を超えたら計算をとりちがえています。











172−82=289−64=225=15 です。9 は 17−8 を計算した値、25 は 17+8 にあたります。三平方の定理を使うので、引き算ではなく 2 乗どうしの差をとります。