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円周角の定理の「逆」で見えてくる 4 点が同一円周上にある条件

同じ弧を見込む円周角は、どこから見ても同じ大きさになります。中心角のちょうど半分です。

逆に、線分 BC を同じ側から同じ角度で見込む点は、すべて 1 つの円周上に並びます。この逆が、4 点が同一円周上にあることを示す道具になります。

まず順の主張から確かめます。

中心角は円周角の 2 倍

ユークリッドは第 3 巻の 20 番目でこう述べています。同じ弧を底辺とするとき、中心の角は円周の角の 2 倍である[1]。

証明は二等辺三角形を 2 つ使います。P から中心 O を通る直線を引き、円周との交点を F とする。

なので三角形 OPB は二等辺三角形。外角 BOF は 2 つの底角の和なので、角 OPB の 2 倍になります。

同じことが角 FOC についても言えるので、足し合わせると中心角 BOC が円周角 BPC の 2 倍になる[1]。

同じ弧の円周角は等しい

中心角は 1 つに決まっています。円周角がその半分なら、円周角も 1 つに決まる。

だから同じ弧を見込む円周角はどれも等しくなります[2]。P を弧の上でどこへ動かしても角度が変わらないのは、このためです。

弧が半円のときは中心角が なので、円周角は 。直径を見込む角は直角になります[3]。

弧が大きいとき

円周角も大きい。半円より大きい弧を見込むと鈍角になる

弧が小さいとき

円周角も小さい。半円より小さい弧を見込むと鋭角になる

逆が成り立つ

線分 BC の同じ側にある 2 点 P、Q について が成り立つとします。このとき 4 点 B、C、P、Q は同一円周上にあります。

示し方は背理法です。3 点 B、C、P を通る円を描く。Q がこの円の外にあると仮定します。

線分 BQ が円と交わる点を とすると、 は より大きくなる。外角のほうが内対角より大きいためです。

ところが なので矛盾します。内側にあると仮定しても同じように矛盾するので、Q は円周上にあります。

例:4 点が同一円周上にあると示す

四角形 ABCD で、対角線の交点を見ずに が言えたとします。

A と D は線分 BC の同じ側にあるので、逆から 4 点が同一円周上にあると分かります。

角度を 2 つ測るだけで、円が隠れていることを見つけられる。図の中に円が描かれていなくても使えます。

例:直角が 2 つあれば円が見える

四角形 ABCD で 、 とします。

同じ線分 BC を同じ側から直角で見込んでいるので、4 点は同一円周上にあります。円の直径は BC です。

直角三角形を 2 つ貼り合わせた図形には、いつも円が隠れている。垂心の問題でこの見方が効きます。

逆を使うときは、2 点が線分の同じ側にあることを必ず確かめます。

反対側にあるときは角が等しいのではなく、足して になるのが条件になります。

反対側なら足して 180 度

P と Q が線分 BC の反対側にあるとします。このときは が条件になります。

理由は中心角から出ます。P 側の弧と Q 側の弧を合わせると円全体になるので、中心角の和は 。

円周角はその半分ずつなので、和は 。これが円に内接する四角形の対角の和が になる理由です[2]。

同じ側なら等しい、反対側なら補い合う。どちらの形かを図で確かめてから使います。

例:角度を求める

円周上に 4 点 A、B、C、D がこの順に並んでいます。 のとき を求めます。

A と D はどちらも線分 BC の同じ側、つまり弧 BC を含まない側にあります。だから 。

同じ図で なら、 も です。弧 AD を見込む角が等しくなります。

弧と角の対応を先に決めてから読む。図が入り組んでいるほど、この手順が効いてきます。

線分 BC の同じ側に点 P と点 Q があり、 です。ここから何が言えますか。

  • 三角形 BPC と三角形 BQC は合同である
  • 4 点 B、C、P、Q は同一円周上にある
  • 線分 PQ は線分 BC と平行である
__RESULT__

同じ線分を同じ側から同じ角度で見込んでいるので、円周角の定理の逆から 4 点は 1 つの円周上に並びます。辺の長さは何も分かっていないので合同は言えず、PQ の向きも決まりません。

つまずきやすいところ

同じ側かどうかを確かめずに逆を使う。反対側なら和が です。
中心角と円周角をとりちがえる。半分になるのは円周角のほうです。
弧の大きいほうと小さいほうを混同する。見込んでいる弧がどちらかを先に決めます。
直径を見込む角が直角になることを別の定理だと思う。中心角が の場合にすぎません。
4 点の順番を確かめずに図を描く。並び順が変わると同じ側か反対側かが入れかわります。

角が等しいところに円が隠れている。この見方ができると、図の中に描かれていない円が見えてきます。

参考文献

Euclid's *Elements*, Book III, Proposition 20. D. E. Joyce, Clark University.
Euclid's *Elements*, Book III, Proposition 22. D. E. Joyce, Clark University.
Euclid's *Elements*, Book III, Proposition 31. D. E. Joyce, Clark University.
同じ弧を見込む円周角はどこから見ても等しく、中心角のちょうど半分になります。証明は二等辺三角形を 2 つ並べ、外角が底角の和になることを使うだけ。逆も成り立ち、線分を同じ側から同じ角度で見込む点は 1 つの円周上に並びます。円の外へ出ると見込む角は小さくなるので、背理法で押さえられる。直角が 2 つある図には BC を直径とする円が隠れています。2 点が反対側にあるときは、等しいのではなく足して $180^\circ$ になるのが条件になる。