三角形の内心は内接円の中心そのもの!角の二等分線が集まる場所
3 つの角を二等分する直線は 1 点で交わります。その点から 3 辺までの距離が等しいので、そこを中心にすると 3 辺に接する円が描けます。
内心と内接円の中心は同じ点です。別々に覚える必要がありません。
理由は二等分線の性質ひとつで説明できます。
二等分線の上は 2 辺から等距離
角の二等分線上の点から、その角をつくる 2 辺へ垂線を下ろします。2 本の垂線の長さは必ず等しくなります。
直角三角形を 2 つ作って見比べると分かる。斜辺が共通で、二等分された角も等しいので、2 つは合同です。
逆も成り立ちます。2 辺から等距離にある点は、必ず二等分線の上にある。

だから 3 本が 1 点に集まる
角 B と角 C の二等分線の交点を I とします。角 B の側から見ると、I は辺 AB と辺 BC から等距離です。
角 C の側から見ると、I は辺 BC と辺 CA から等距離。2 つを合わせると、I は 3 辺すべてから等距離になります。
辺 AB と辺 CA から等距離なので、逆の性質から I は角 A の二等分線の上にもある。3 本目も通りました[2]。
ユークリッドはこの手順をそのまま内接円の作図に使っています[1]。2 つの角を二等分し、交点から 3 辺へ垂線を下ろす。
内接円の半径
I から 3 辺までの距離を とすると、これが内接円の半径です。面積を使うと が出ます。
三角形を I から見て 3 つに分けます。それぞれの底辺は 、、 で、高さはどれも 。
と置けば 、つまり になります。

例:3 辺が 3、4、5 のとき
直角三角形なので面積は です。。
半径 の円が 3 辺に接します。直角三角形では という別の形も使えて、 で一致します。
例:内心の角は 90 度を超える
角 BIC の大きさを求めます。三角形 IBC の内角の和から出ます。
角 IBC は角 B の半分、角 ICB は角 C の半分。だから角 BIC は から両方を引いた値です。
角 A が なら角 BIC は 。角 A がどんな値でも、内心から見た角は必ず直角より大きくなります。
角 BIC は つねに 90 度より大きいので、内心は 3 辺から少し離れた内側にとどまります。
角 A が に近づくと角 BIC は に近づき、 に近づくと角 BIC も に迫ります。
接点までの長さ
頂点から内接円の接点までの長さは、同じ頂点から出る 2 本が等しくなります。円の外の点からの接線の長さが等しいからです。
その値を 、、 と置くと、、、 です。3 式を足して 2 で割ると 。
頂点 A からの接点までは になります[3]。3 辺の長さだけで、接点の位置が決まる。
内心は必ず内部にある
3 辺から等距離で、しかも辺の内側に落ちる点は三角形の中にしかありません。だから内心は必ず内部です。
外心や垂心は三角形の外へ出ることがあります。内心と重心の 2 つだけが、いつでも内部にとどまる。
鈍角三角形でも直角三角形でも、内接円はきちんと 3 辺に接します。
内心と重心。どんな形の三角形でも外に出ない
外心と垂心。鈍角三角形では三角形の外側へ移る
3 辺の長さが 、、 の三角形で、内接円の半径はいくつですか。
検算のしかた
出した を使って に戻し、面積が一致するかを見ます。 のようにそろえば正しい。
もう 1 つは大きさの感覚です。内接円は三角形にすっぽり収まるので、 は最短の高さの半分より小さくなります。
が辺の長さより大きくなったら、どこかで計算をとりちがえています。










直角三角形なので S=25×12=30、s=25+12+13=15 です。r=1530=2。2a+b−c=25+12−13=2 でも同じ値が出ます。