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円に内接する四角形の向かい合う角を足すと 180 度になる

4 つの頂点が同じ円の上にある四角形では、向かい合う角の和が になります。

4 つの頂点をどう動かしても、円の上にあるかぎり和は変わりません。片方が大きくなれば、もう片方が同じだけ小さくなる。

理由は 2 通りの見方から出せます。

ユークリッドの述べ方

第 3 巻の 22 番目は、円に内接する四角形の向かい合う角の和は 2 直角に等しい、と述べています[1]

2 直角は のこと。ユークリッドは角度を数で測らず、直角をものさしにして述べます。

証明では対角線 AC と BD を引き、同じ弧を見込む角が等しいという性質を使います[1]

円周角で示す

角 ABC を求めます。この角は三角形 ABC の 1 つの内角なので、 です。

ここで が言えます。どちらも同じ弧を見込む円周角だからです。

代入すると 。右の 2 つを足すと そのものになります。

同じ手順を にも当てれば、こちらの和も です[1]

中心角で示す

もう 1 つの道すじは弧を数えることです。角 A は弧 BCD を見込む円周角、角 C は弧 DAB を見込む円周角。

2 つの弧を合わせると円周全体になります。だから対応する中心角の和は

円周角は中心角の半分なので、和は になります[2,3]。弧の言葉に直すと計算が 1 行で済みます。

外角は向かい合う内角に等しい

辺 BC を C の側へ延ばし、外角 DCE を作ります。この外角は です。

対角の和が なので 。2 つが同じ値になります。

外角が向かい合う内角に等しい。角度を求める問題では、この形のほうが使いやすいことが多い。

例:角度を求める

円に内接する四角形 ABCD で とします。向かい合う

さらに なら です。4 つを足すと で、四角形の内角の和と一致します。

外角の形で使うなら、辺 AB を B の側へ延ばした外角が に等しく 。図の外側の角も 1 手で出ます。

内角の和が なので、対角の 1 組が なら残り 1 組も自動的に です。

両方をわざわざ確かめる必要はありません。片方が出た時点でもう片方も決まります。

どんな四角形が円に内接するか

正方形と長方形はいつでも円に内接します。4 つの角がすべて直角なので、対角の和が必ず になる。

ひし形は正方形のときだけ内接します。正方形でないひし形では、向かい合う角が等しく和が になりません。

台形では等脚台形だけが内接します。平行な 2 辺にはさまれた角が補い合う形になるためです。

いつでも内接する

正方形、長方形、等脚台形。対角の和が を満たす

内接するとは限らない

平行四辺形、ひし形、一般の台形。特別な場合を除いて満たさない

例:平行四辺形が内接するとき

平行四辺形では向かい合う角が等しくなります。 です。

内接するなら なので、 から

4 つの角がすべて直角になるので、長方形しかありません。平行四辺形で円に内接するのは長方形だけです。

円に内接する四角形 ABCD で です。辺 CD を D の側へ延ばしてできる外角の大きさはいくつですか。

__RESULT__

外角は向かい合う内角に等しくなります。辺 CD を D の側へ延ばした外角が向かい合うのは なので です。 の値、 は中心角ととりちがえた値になります。

つまずきやすいところ

向かい合う角ではなく隣り合う角を足す。使うのは対角です。
外角を作る向きをまちがえる。延ばす辺と外角の位置で、対応する内角が変わります。
一般の平行四辺形が内接すると思う。内接するのは長方形だけです。
凹んだ四角形に当てる。頂点が円周上に並ぶ順番が入れかわると成り立ちません。
和が になると覚える。 は 4 つ全部の和、対角 2 つなら です。

対角の和が 。この 1 本から、外角の性質も内接する図形の限定も出てきます。

参考

Euclid's *Elements*, Book III, Proposition 22. D. E. Joyce, Clark University.
Euclid's *Elements*, Book III, Proposition 20. D. E. Joyce, Clark University.
Circle. Encyclopedia of Mathematics.
円周角で示す道と、弧を数える道の 2 通りがあります。円周角なら対角線を引いて同じ弧を見込む角を移し替えるだけ。弧で見るなら、角 A と角 C が見込む 2 つの弧を合わせて円周 1 周ぶんになるので、中心角の和が $360^\circ$、その半分が $180^\circ$ です。外角が向かい合う内角に等しいという形に直すと、角度の計算がさらに軽くなる。内接するのは正方形と長方形と等脚台形で、平行四辺形なら長方形に限られます。