12 乗根にそろえて比べる、累乗根の大小比較といちばん大きい n 乗根
、。大きいのは のほうです。
小数に直さずに決められます。指数を にそろえると と になり、中身を見るだけで済む[1]。
そろえる先は、根号の指数の最小公倍数です。
指数をそろえる
が使えます。根号の指数を 倍するとき、中身も 乗する。
の指数は 、 の指数は 。最小公倍数は です。
、。
指数がそろえば、あとは中身の大小がそのまま値の大小になります。 なので 。
手順
やることは 3 つだけです。
根号の指数の最小公倍数を出す
中身を何乗すればよいか決める
そろった中身どうしを比べる
中身が大きいほうが値も大きい。指数がそろっているときに限って言えることなので、そろえる前に比べないようにします。
例:2 つを比べる
と 。指数の最小公倍数は です。
、。
なので になります[1]。
と なら、最小公倍数は 。 と です。
で 。桁は増えますが、中身の勝負に持ち込めば迷いません。
| 比べる 2 つ | そろえた形 | 結果 |
|---|---|---|
| 2 の平方根と 3 の 3 乗根 | 6 乗根の 8 と 9 | 3 乗根の 3 が大きい |
| 3 の 4 乗根と 4 の 6 乗根 | 12 乗根の 27 と 16 | 4 乗根の 3 が大きい |
| 4 の 4 乗根と 5 の 5 乗根 | 20 乗根の 1024 と 625 | 4 乗根の 4 が大きい |
例:3 つ以上を並べる
、、 を小さい順に並べます。
指数は 、、。最小公倍数は です。
、、。
中身は 、、。小さい順に 、、 となります[1]。
いくつ並んでいても手順は変わりません。全部の指数の最小公倍数を 1 回で出す。
分数の指数で見ると同じこと
と書き直すと、そろえる作業の正体が見えます。
、。指数を通分して と です。
と なので、 分の 乗の中身を比べることになる。
根号の指数をそろえる作業は、分数の指数を通分する作業とまったく同じものです。
通分の分母が、そろえた根号の指数にあたる。どちらの記法でも手順は変わらない[2]。
底か指数のどちらかがそろっているとき
と のように指数が同じなら、中身だけを見れば済みます。 から 。
と のように中身が同じなら、指数が小さいほうが大きい。 のときに限ります。
と を比べるので、指数の がそのまま効く。底が より大きいからです。
中身が より小さいと向きが逆になります。。
根号の指数が小さいほど値は大きい。
根号の指数が小さいほど値は小さい。
をまたぐと不等号がひっくり返る。累乗根の比較でいちばん多い落とし穴です。
累乗して比べる道もある
そろえる代わりに、両方を同じ数だけ累乗する手もあります。
と を 乗します。、。
どちらも正の数なので、 乗した大小がもとの大小と一致します。結果は同じ 。
正の数どうしなら、同じ正の指数で累乗しても順序は変わらない。この性質が両方の道を支えています。
いちばん大きい n 乗根
を から順に並べると、途中で折り返します。
、、、、。
が最大です。そのあとは に向かって下がっていきます[3]。
を実数として を描くと、頂点は にあります。最大値は です[3]。
整数は に飛び乗れないので、いちばん近い が勝つ。 より のほうが に近いためです。
例: と を手で確かめる
上のグラフを使わずに決めます。 乗して と を比べる、という先ほどの手順です。
と も比べておきます。最小公倍数は 。
、。
なので 。 が頂点だという話と合っています。
なぜ大きい n では小さくなるのか
は、 を 個に分けて掛け合わせたときの 1 個分にあたります。
が増えると、中身の も増えますが、割る回数のほうが速く増える。だから比は に近づきます。
、。どんどん へ寄っていく。
大きい数の高い次数の根は、ほとんど です。この感覚があると、比較の見当が付けやすくなります。
例:文字が入る比較
のとき、 と の大小を決めます。
指数を にそろえると と 。 なら です。
だから になります。 なら で、向きが逆になる。
のときは両方とも で等しい。文字が入る問題では、 を境に場合分けが要ります。
例:和が入る比較
と を比べます。根号の中を足し合わせることはできません。
両方とも正なので、 乗して比べます。左辺の 乗は 。
右辺の 乗は です。 と を比べることになる。
さらに 乗すると と 。 なので 、したがって です。
累乗して根号を減らす。和が入ったら、そろえるよりこちらが早い。
例:積と商の比較
と を比べます。左辺はまず 1 つにまとめる。
です。あとは と で、。
なら、、 なので になります。
まとめられる形は先にまとめる。そろえる作業に入る前に、値が出てしまうこともあります。
使い分け
根号が 2 つ 3 つ並んでいて、中身が数のとき。手順が決まっていて迷いません。
和や差が入っているとき。根号の個数を減らしながら進められます。
積や商が混ざっているとき。まとめてから比べると、そもそも計算が終わることがあります。
どの道を選んでも答えは同じです。式の形を見て、手数の少ない道を選びます。
対数に直すと割り算になる
指数をそろえる作業は、対数を使うと割り算 1 回に化けます。
の常用対数をとると 。この値の大小が、そのまま累乗根の大小になります。
なら 、 なら 。あとの数が大きいので が勝ちます。
最小公倍数を出す手間が消えます。対数の値が手元にあるときは、こちらのほうが速い。
が で折り返すのも、 の動きとして見えてきます[3]。
と では、どちらが大きいですか。
- 等しい
中身が より小さい場合も確かめます。
と では、どちらが大きいですか。
- 等しい
乗してそろえると と になります。 より小さい数は掛けるほど小さくなるので、乗せる回数が少ない のほうが大きい。











最小公倍数の 12 でそろえると 1224=1216 と 1233=1227 です。27>16 なので 43 が大きくなります。