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答えが出てから半分捨てる……対数の真数条件と底の条件

を解くと、 が出ます。

を戻すと 。両辺とも真数が負で、式そのものが成り立ちません[1]

答えは だけ。計算が正しくても、最後にふるいをかけないと解が多すぎる状態で終わります。

定義から出てくる 2 つの条件

は「 を何乗すると になるか」への答えでした。この読み方が成立するために、条件が 2 つ付きます。

底の条件は かつ 。真数の条件は です[3]

どちらも定義のための約束ではなく、定義が壊れないための境界線。外すと答えが決まらないか、答えが存在しません。

真数が正になる理由

のとき、 の値は必ず正です。指数をどれだけ大きな負の数にしても には届かない。

だから をみたす は、 が正のときだけ存在します。 でも でも、そんな はない。

曲線が横軸より下へ入らない。だから の中身も、横軸より下の値をとれません。

底の条件

を許すと、 がどんな でも成り立ちます。 の答えが決まりません[3]

真数が 以外なら、今度は答えが 1 つもない。 をみたす が存在しないためです。

が負だと、 が実数になる指数が飛び飛びにしか現れません。連続に逆をたどれないので、底からは外します。

も同じで、 は正の でいつも 。逆をたどる相手になれません。

底に許される数

より大きく、 でない数。 など

底に許されない数

、負の数。答えが決まらないか、そもそも存在しない

例:定義域を求める

が意味を持つ範囲を出します。真数条件は なので、

なら から です。

または に分かれます。

のように 2 つ並ぶときは、両方に条件が付く。 かつ で、まとめると です。

条件が複数あるときは、いちばん厳しいものが残ります。

例:足すと条件がゆるむ

にまとめます。計算としては正しい変形です。

ところが、まとめたあとの真数条件は でも成り立ってしまいます。

もとの式では が要りました。まとめる操作が、こっそり定義域を広げています[2]

対数をまとめる変形は、もとの式では禁じられていた値を通してしまうことがあります。

広がったぶんが、あとで余分な解として現れる。だから条件はまとめる前の式から出します。

例:解を捨てる

を解きます。まとめると

指数に戻して 、つまり です。因数分解して

候補は になります。もとの式の条件は でした[2]

は条件を外れるので捨てます。答えは だけ。

例:解が 1 つも残らない

を解きます。真数どうしを比べて

から です。ここまでは正しい。

戻して確かめます。 で、負になりました[2]

もう一方も 。どちらの真数も負なので、この方程式に解はありません。

候補が 1 つしかないときでも、ふるいは要ります。

条件を出す順番

やり方は 2 つあります。先に定義域を出しておく道と、あとで候補を戻して確かめる道です。

先に出すほうが安全です。もとの式のまま条件を書けるので、変形でゆるんだ範囲に惑わされません。

もとの式から真数条件を書く

方程式を解いて候補を出す

条件をみたす候補だけを残す

あとで確かめる道でも答えは同じですが、戻す先はいつでも変形前の式にします。まとめたあとの式に戻すと、余分な解を見逃す。

例:不等式では向きも見る

を解きます。まず真数条件で

なので、。底が より大きいので、真数どうしで

です。真数条件と合わせて になります。

真数条件を忘れると だけが残り、 のような値まで解に入ってしまう。

底に文字が入る場合

のように底が文字なら、底の条件も式に加わります。

かつ 。この上で を解いて です。条件をみたすので採用します。

なら、 かつ 。つまり かつ

から で、。条件から だけが残ります。

例:底と真数の両方に文字

を解きます。条件は

なので、 に吸収されます。残る条件は かつ

指数に戻して

候補は です。 は底の条件を外れるので、答えは

底が文字のときは、条件が 3 つに増えます。書き出してから解くと落としません。

条件を先に書き、あとで照らす。この 2 手で、対数の解答から余分な解が消えます。

の解はどれですか。

  • だけ
  • 解はない
__RESULT__

真数条件は です。まとめて から となり候補は 。条件をみたすのは だけです。

底に文字がある場合も確かめます。

をみたす はどれですか。

__RESULT__

から で、候補は です。底の条件 から は落ち、 だけが残ります。

参考

Solving Logarithmic Equations. Intermediate Algebra, Salt Lake Community College.
Let's Learn Logarithmic Equations. Student Learning Center, Portland Community College.
Why Can't a Logarithm Have a Negative Base?. The Math Doctors.
$\log_2(x^2-3) = \log_2(2x)$ を解くと $x = 3$ と $x = -1$ が出ますが、後者を戻すと $\log_2(-2)$ になります。真数は正、底は正で 1 でない。この 2 つは約束ではなく、定義が壊れないための境界線です。対数をまとめる変形は定義域をこっそり広げるので、条件はまとめる前の式から書く。$\log_2 x + \log_2(x-2) = 3$ で $x = -2$ が落ちる理由、候補が 1 つでも解が残らない例、底に文字が入って条件が 3 つに増える形まで。