足して 2 を下回らない - 相加相乗平均で出す指数の最小値
は、どんな実数 をとっても を下回りません。最小値は のときの です。
理由は 2 つの項の積にあります。。 が動いても積は のまま。
積が固定されているとき、和がいちばん小さくなるのは 2 つが等しいときです[1]。
相加平均と相乗平均
、 とします。次の不等式が成り立ちます[2]。
左辺が相加平均、右辺が相乗平均。等号が成り立つのは のときに限ります。
分母を払った形もよく使います。
が定数なら、右辺も定数。和の下限がその場で分かります。
積が 1 のとき
、 と置きます。どちらも正なので、不等式が使えます。
です。
等号は のとき。指数を比べて 、つまり です。
薄い 2 本が と 、濃い 1 本がその和です。片方が伸びると片方が縮み、和は で下げ止まります。
使う前に確かめる 3 つ
相加相乗平均の関係は、条件がそろってはじめて最小値を与えます[1]。
3 つ目を落とすと、下限は正しいのに最小値ではない、という答えになります。
例:積が定数になる形
の最小値を出します。積は です。
。等号は から 。最小値は です。
も も同じで、底が何であっても最小値は になります。
底が変えるのは、谷の深さではなく谷の広がり方です。
例:係数が付く形
の最小値を求めます。積は で定数です。
等号は のとき。両辺に を掛けて 、 から 。
が最小値です。等号が成り立つ が実在するので、下限がそのまま最小値になります。
例:定数を作りにいく
では積が で、定数になりません。
このままでは相加相乗平均の関係が使えない。定数にならない組み合わせでは、下限が によって動いてしまいます。
こういう形は置きかえや微分で扱います。積が定数かどうかを最初に見るのは、そのためです。
例:等号が届かない場合
を の範囲で考えます。相加相乗平均の関係からは 以上と分かります。
ところが等号の条件は で、範囲の外です[2]。 という値は実現しません。
実際の最小値は のとき。 です。
と置くと で、 はこの範囲で増え続けます。端が最小になる。
下限と最小値は別のものです。等号の確認を省くと、この違いが見えなくなります。
例:置きかえと組み合わせる
の最小値を出します。
と置きます。相加相乗平均の関係から です。
なので、。
もとの式は になります。
で頂点が端に来るので、最小値は 。 から です。
相加相乗平均の関係が、置きかえた文字の範囲を作っています。
図で見る相加相乗平均
長さ と を一直線に並べ、 を直径とする半円を描きます[3]。
半径は で相加平均。 と の境目から立てた垂線が半円と交わる高さが で相乗平均です。

と が離れているほど、垂線は中心から遠ざかり短くなります。等しいときだけ中心に重なり、半径と同じ高さになる。
対数でも同じ形が出る
を で考えます。 です。
と置くと で、式は 。積は で定数です。
となり、等号は 、つまり のとき。最小値は です。
では になり、正の数という条件を外れます。この範囲では となって、最大値のほうが決まります。
が負のときは、 と に対して不等式を使うと向きが見えます。
から 。符号を外へ出してから当てはめる。
平方完成でも出せる
相加相乗平均の関係を使わずに済ませることもできます。 と置く道です。
で 。 になります。
分子は 以上、分母は正なので、。等号は のときです。
二次式の平方完成で頂点を出す手順と、やっていることは同じです[4]。
どちらの道でも同じ結論に着きます。相加相乗平均の関係は、この計算を 1 行で済ませる近道です。
まちがえやすいところ
積が定数か、等号が届くか。この 2 つを確かめれば、相加相乗平均の関係は安全に使えます。
の最小値はどれですか。
- より小さい値
等号が届かない場合も確かめます。
を で考えたときの最小値はどれですか。
- 最小値はない
等号の条件 は範囲の外です。 で は増え続けるので、 のときの が最小になります。











積は 3x×27⋅3−x=27 で定数です。227=63 が下限で、等号は 32x=27 から x=23 のとき。範囲の中なので最小値になります。