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底が 1 より小さい対数不等式〜向きを変えてから定義域で削る

の答えは です。

真数どうしを比べる段階で と向きが変わり、。ここに真数条件の が重なります[1]

向きの反転と定義域の削り。対数不等式では、この 2 つが同じ問題の中で同時に効いてきます。

底で向きが決まる

のとき、 が増えると増えます。 のときは減る[1]

。真数が大きくなるほど値は小さい。

半分にする回数を数えているので、真数が大きいほど回数が増え、符号は下へ向かいます。

底を に近づけると、曲線はほとんど垂直に立ちます。 を通り過ぎた瞬間に、右上がりと右下がりが入れかわる。

不等式を解くときに使うのは、この向きです。

のとき

から 。不等号はそのまま

のとき

から 。不等号をひっくり返す

どちらの場合も、真数がそれぞれ正であることは別に確かめます。

真数条件は先に書く

対数不等式には、指数不等式にはない仕事が 1 つ増えます。真数が正であることの確認です[3]

なら、 かつ

かつ で、まとめると 。この範囲の外では、そもそも式が意味を持ちません。

両辺の真数条件を書き出す

底を見て不等号の向きを決める

解いた範囲と真数条件の共通部分をとる

先に書いておくと、最後に共通部分をとるだけで終わります[2]。あとから思い出す形にすると、落としやすい。

例:底が 1 より小さい

を解きます。真数条件は

右辺を対数に直します。 です。

底が より小さいので向きが変わり、。つまり

真数条件と合わせて が答えです。

例:もう 1 問

を解きます。真数条件は 、つまり

なので、向きを変えて です。

合わせて になります。

右端は等号を含み、左端は含まない。真数条件は等号を含まないので、境界の扱いが左右で変わります。

例:底が 1 より大きい場合と並べる

なら、底が より大きいのでそのまま [1]

真数条件は から 。答えは です。

底を に替えると、真数の不等号だけがひっくり返ります。真数条件は底に関係なく同じ。

真数の不等号真数条件
22x+3 > 3xx > 0
1/22x+3 < 3xx > 0

底が変えるのは向きだけで、定義域には手を出しません。この分業を覚えておくと混ざりません。

例:底が違うときはそろえる

を解きます[1]

なので、左辺を にそろえます。

真数条件は かつ 。つまり かつ

底が より大きいので、。展開して から

答えは かつ です。

例:置きかえて解く

を解きます。 と置く[1]

から または です。

に戻します。

真数条件の は、下の範囲を書くときに効いています。答えは または

底が より大きいので、戻すときに向きは変わりません。底が なら、ここで反転します。

例:定数を対数の形に直す

のような形では、右辺を対数に直してから比べます。

です。底が より小さいので向きを変えて

真数条件の と合わせて になります。

と書いてしまうと、範囲が上下に入れかわります。

例:底に文字が入る

をみたす の範囲を出します。底の条件は かつ

のとき、 なので と合わせて

のときは向きが変わり、 となり、 と両立しません。

答えは です。底が文字のときは、 を境に 2 通り調べます。

例:両辺に対数を当てる

のような指数不等式に、対数を当てて解くこともあります。

を当てると なので、割っても向きは変わりません。

になります。

当てる対数の底が より小さいと、ここで向きが変わる。底が より大きい対数を選べば、判断が 1 回減ります。

例:対数が 2 つ並ぶ

を解きます。真数条件は かつ で、

左辺をまとめて 。右辺は です。

底が より小さいので向きが変わり、。展開して から

真数条件と重ねて が答えです。まとめる前の条件を使っている点が大事なところ。

例:両辺に対数が付かない形

を解きます。

真数条件は かつ 。前者は または 、後者は

重ねると です。この時点で、正の解はすべて消えました。

底が より小さいので 。移項して

解の公式から です。 なので、およそ

と重ねて、 が答えになります。

真数条件を先に出しておくと、後半の計算量が減ります。

真数条件を先に書き、底を見て向きを決め、最後に重ねる。この 3 手が崩れなければ答えは合います。

の解はどれですか。

__RESULT__

真数条件は です。 なので、底が より小さいことから となり 。重ねて になります。

底に文字が入る形も確かめます。

をみたす の範囲はどれですか。

  • だけ
  • または
__RESULT__

なら なら向きが変わって となり、これは の全体でみたされます。合わせて または です。

参考

Logarithmic Inequalities. Brilliant Math & Science Wiki.
Résoudre une inéquation avec la fonction logarithme. Kartable.
Solving Logarithmic Equations. Intermediate Algebra, Salt Lake Community College.
$\log_{1/2}(3x) > \log_{1/2}(2x+3)$ の答えは $0 < x < 3$ です。真数どうしを比べる段階で $3x < 2x+3$ と向きが変わり、そこへ真数条件の $x > 0$ が重なる。底が決めるのは向きだけで、定義域には手を出しません。この分業がつかめると混ざらなくなる。定数を対数の形に直してから比べる理由、$t = \log_2 x$ と置いて戻すときの判断、$\log_a 9 > 2$ のように底が文字で 1 を境に場合分けが要る形、真数条件を先に書くと計算量が減る例まで。