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指数方程式の置きかえで落としやすい「t > 0」の条件

を と置くと、 になります。

因数分解して 。 と が出ますが、後者は使えません[2]。

はどんな でも正です。 を書き添えていないと、ここで解が 1 つ増えます。

置きかえが効く形

、。指数の底が 2 乗の関係にあるとき、置きかえで二次方程式になります[1]。

のように、定数のかけ算に直せる項も同じ文字で書けます。

見分け方は単純です。すべての項が の累乗と定数で書けるかどうか。

に置きかえると 。見慣れた二次式に変わりました。

という条件

の値域は正の数全体です。 をどれだけ小さくしても には届かず、負にもなりません[1]。

だから の方程式を解いたあと、 以下の解は に戻せない。戻す道がないため捨てます[3]。

に対応する は 1 つだけあり、 には 1 つもありません。

手順

すべての項を同じ で書き直す

と置き、 を書く

の方程式を解き、正の解だけを に戻す

を先に書いておくと、最後に正の解を選ぶだけで終わります。

例:解が 1 つだけ残る

冒頭の を最後まで解きます。、。

から で、 または [2]。

より だけが残ります。 から 。

を捨てなければ、 という戻せない式が残ってしまいます。

例:解が 2 つとも残る

を解きます。、 です[2]。

、 と置くと 。 から と 。

どちらも正なので、両方が生き残ります。 から 、 から 。

答えが対数の形になることもあります。 はこれ以上簡単になりません。

例:解の公式を使う

を解きます。 なので、 と置くと分数が現れる。

の両辺に をかけます。 なので、かけても向きや解は変わりません。

から です[2]。

なので 。負なので捨てます。

残るのは で、 が答えです。

分数が出たときに両辺へ をかけられるのは、 が でないと分かっているからです。

という条件が、こういう場面でも働いている。解を選ぶためだけの条件ではありません。

例:解が 1 つもない

を考えます。、 と置くと 。

判別式は で負。実数解がありません。

そもそも左辺は の範囲でつねに正なので、 になりようがない。方程式に解はありません。

置きかえたあとで解が出ないことも、 の範囲に解がないこともあります。

例: の形

を解きます。

と置きます。両辺を 2 乗すると 。

つまり です。もとの式は になります。

から 、 または 。

ここで の範囲を見ます。 と の和なので、 です。

は範囲の外。 から となり、 で 、、。

置く文字が変われば、書き添える条件も変わります。 ではなく でした。

置きかえた文字の範囲

何に置きかえたかで、付ける条件は変わります。まとめておきます。

置いた文字範囲理由
t = a の x 乗t > 0指数関数の値は正
s = a の x 乗 + a の -x 乗s >= 2正の数とその逆数の和
u = log 底 a の x実数全体対数の値域は実数全体

範囲を書かずに進めると、戻せない解を答えに混ぜてしまいます。

例:不等式でも同じ

を解きます。、。

から 、 です。

はすでにみたされています。 から 。

不等式では、 の範囲と の共通部分をとってから戻します。

例:底が 1 より小さい場合

を解きます。

、 と置くと 。 です。

から 。 からは 、つまり で 。

方程式なので向きの心配はいりません。不等式に変わると、戻すときに反転します。

つまずきやすいところ

t = 0 を許してしまう。指数関数は 0 になりません。
2 の x+2 乗を 2 の x 乗 + 4 と書く。正しくは 4 倍です。
分数が出たときに t をかけてよい理由を確かめない。t > 0 だからかけられます。
和の形を置きかえたのに範囲を t > 0 のままにする。s は 2 以上になります。

置いたら範囲を書く。この一手間が、置きかえの誤りをほとんど消します。

の解はどれですか。

  • だけ
  • と
  • 解はない
__RESULT__

と置くと で 。 から だけが残り、 で です。

と置いたとき、 のとりうる範囲はどれですか。

__RESULT__

とその逆数の和なので、相加平均と相乗平均の関係から です。等号は 、つまり のときに成り立ちます。

出典

Exponential and Logarithmic Equations. MAT 206 Precalculus, Mathematics LibreTexts.
How to Solve Exponential Equations. Analyze Math.
Exponential and Logarithmic Equations. College Algebra 2e, OpenStax.
$4^x - 2^{x+2} - 32 = 0$ に $t = 2^x$ を当てると $t^2 - 4t - 32 = 0$ になり、$t = 8$ と $t = -4$ が出ます。後者は戻せない。$2^x$ はどんな $x$ でも正なので、$t > 0$ を書き添えていないと解が 1 つ増えます。$9^x - 3^{x+1} + 2 = 0$ のように両方が残る形、$2^x - 6 \cdot 2^{-x} = 6$ で解の公式まで進む形、判別式が負で解が 1 つもない形。$s = 2^x + 2^{-x}$ と置くと、書き添える条件は $t > 0$ ではなく $s \geq 2$ に変わる。